地理を「学ばない人」「学ぶ人」に大きな差がつく訳 社会に出た今こそ身につけたい教養とは

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そして、多くの方々と接する中で、しばしば(どころか頻繁に)耳にしたのが、「学生の頃、地理は嫌いだった」「日本史や世界史は学んだけど、地理の授業は受けていない」という悲しい反応……。

このとき、私は確信しました。私の使命は、多くの人に「地理って面白い」「地理をやってみようかな」と思ってもらうために、本気で努力することだと。そして、子どもたちに地理を学ぶ有用性や意義を少しでも理解してもらって、地理を通して視野を広げて、社会で活躍できる人材に育って欲しいという思いを全力で伝えようと決意しました。

さらには、大人にも「地理を学び直してみよう!」「自分の子どもにも地理を学んで欲しいな」と感じてもらうために、今以上に努力を続けようと心に決めています! 世の中には尊敬すべき地理教育者の先生方がたくさんおられます。微力ですが、私も地理を学ぶことの素晴らしさを伝えていきます。

地理との出会いは年代によって違う!

読者のみなさんがたがおいくつなのかによって学校での地理教育のありかたや地理との出会いが大きく変わってきます。ということで、少しばかり第二次世界大戦後の日本の高校地理教育の変遷についてお話をしておきましょう。

第二次世界大戦後、高等学校での地理教育は大きく変化してきました。読者の方々は、それぞれの年齢に応じてご自分の経験を思い出してください。

1960年代から1970年代まで(だいたい60代から70代の方)は、「人文地理」「地理A(系統地理)」「地理B(地誌)」などの名称で、ほぼ必修状態! つまり「高校生になれば、地理はみんなが学ぶ科目」でした。

ところが、1980年代(およそ50代以下の方)になると、高校地理教育にとって「暗黒の時代」が訪れます。現代社会や世界史の必修化によって、地理は「選択科目」、つまり学んでも、学ばなくてもよい科目になってしまったのです(絶対に学ぶべき学問・教科だと思うのですが……)。

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