それは、2030年の完全電動化を公言しているメルセデス・ベンツが、次期型Eクラスにはもはや内燃エンジンは搭載しないということを意味するはずだ。その時にはおそらくEクラスとEQEは統合されることになる。
そしてデジタル化の象徴が、12.3インチを2枚、17.7インチを1枚の合計3枚のディスプレイを組み合わせたインテリアのMBUXスーパースクリーン。2024年導入予定の車載システム“MB OS”のインフォテインメントに関する部分を先行して用いることで操作環境をアップデートしている。
たとえば、現行のMBUXでは音声認識機能を立ち上げる際に「ハイ、メルセデス」という呼びかけが必要だが、新しい“Just Talk”機能では、それが不要に。条件に応じた機能の呼び出しを予めルーティンとして記憶させることもできる。「気温が20度以下になったらシートヒーターを入れて、アンビエントライトを暖色系のトーンに変更する」といった具合だ。
オーディオは4Dサラウンドとなり、サードパーティ製のアプリを走らせることもできる。すでにTikTokや各種ゲーム、さらに本国ではビジネスセダンの代表であるダッシュボード上の自撮りカメラを用いるZoomなどのオンライン会議がプリセットされており、また今後OTA(オーバー・ジ・エア=無線通信を使ったソフトウェアでの機能更新)でさまざまなアプリを購入することも可能となる。
賛否が分かれるエクステリアデザイン
あるいは、そのエクステリアデザインも、ふたつの世界をつなぐものだと言っていいかもしれない。
目をひくのは、まずフロントマスク。ラジエーターグリルの周囲はブラックアウトされ、デイライトにW210型以来の4灯式ライトのモチーフを入れたヘッドライトユニットに連結している。これはBEVであるEQシリーズのデザイン要素を持ち込んだものだ。
そしてリアビューではテールランプユニット内に埋め込まれたスリーポインテッドスターを象ったLEDライトが賛否を分けている。個人的にも実物は思ったよりは……と思いつつも、もろ手を上げて賛成とは言えないが、ここ数年のメルセデス・ベンツがこのスターマークをラジエーターグリルはじめいろいろな部分に、モノグラムのようにあしらっていることを考えれば、この大フィーチャーぶりも納得ではある。
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