受信料収入激減も?韓国「公共放送」大ピンチの訳 受信料の別途徴収で本社には"弔花"が届く事態
弔花に垂れ下がる名札には送り名のかわりに「KBS社長は即退陣しろ」「偏向報道を止めろ」「分離徴収をしろ」などKBSを批判する文言が書かれており、中には「KBSの死亡をお祝いします」というものも。
分離徴収をめぐる論争が本格化したのは6月5日。大統領室がKBSの受信料を別途に徴収する法令改正とその処置などを大統領直属機関である放送通信委員会などへ勧告してからで、弔花もこの時から次々と並べられるようになった。
現在の受信料は月額250円
KBSは地上波2チャンネルとラジオ6局、子会社を通し、衛星放送、ケーブルテレビなどを持つ韓国最大規模の放送会社だ。NHKと同じように国民から受信料を徴収しており、1963年の月額100ウォン(約10円)から始まり、カラーテレビが登場した1981年に現在の同2500ウォン(約250円)に引き上げられた。
NHKと異なるのはその徴収方法だ。1980年代の軍事政権時代、政権色一色の放送内容への反発から支払いを拒否する運動が起き、これにより受信料による収入が半分近く(44%ほど)まで落ちると、1994年からは受信料の徴収を韓国電力公社に委託し、電気料金に含めて徴収される方法にかわった。電気料金に組み込んでしまえば、未納はほぼ防げるわけで、KBS側にとってはこれ以上ない妙案だった。
同社はまた広告料による収入もある。クーデターにより政権を掌握した全斗煥元大統領はメディアを掌握するため1980年、メディアの統廃合を行い、そのときに当時の民放「TBC」はKBSへ吸収合併され、主にドラマや芸能などを制作し放送するKBS2が誕生した。このとき広告収入を得た放送も始まっている(KBS1とKBS第1ラジオは1994年から広告収入は得ていない)。
このとき広告収入を得ることも許可された(KBS1とKBS第1ラジオは1994年から広告収入は得ていない)。
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