中国の半導体産業に最も大きな影響をもたらしたのが、アメリカ商務省の産業安全保障局(BIS)が2022年10月7日に発表した一連の新たな輸出規制だ。半導体チップの演算能力、データの伝送速度、微細加工プロセスのレベルなどについて具体的な数値を定め、それを超える高性能半導体や製造装置の対中輸出を事実上禁止した。
この新規制は、中国のAI(人工知能)技術やスーパーコンピューターなどの発展に直接的な打撃を与えており、中国の半導体産業を標的にした「史上最も厳しい輸出規制」と呼ばれている。
さらに、アメリカ政府は日本政府やオランダ政府に働きかけ、アメリカ製以外の先端半導体技術の輸出も阻止する「対中包囲網」を作り上げた。
アメリカの業界からも懸念の声
だが、アメリカ政府の振る舞いに対しては自国の半導体業界からも再考を求める声が上がっている。アメリカ半導体産業協会(SIA)は7月17日、アメリカ政府が検討中とされる対中輸出規制の追加措置に懸念を示す声明を発表。そのなかで、次のように警鐘を鳴らした。
「アメリカの半導体業界にとって、汎用半導体の世界最大のマーケットである中国市場へのアクセスを維持することは重要だ。(アメリカ政府が)過度に広範で曖昧な、時には一方的な措置を繰り返すことは、アメリカ半導体産業の競争力を低下させるリスクがある」
(財新記者:杜知航)
※原文の配信は7月22日
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