訪日客の鉄道旅、英語通じず困った「あるある」集 駅名は固有名詞というこだわりが招く誤解

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途中の四方津で乗るはずだった「あずさ」が通過、「あの列車だ」というと、彼女は恨めしそうな顔で列車を見ていた。高尾で特別快速東京行きに乗り換え、八王子あたりから混雑しはじめると、「日本でコミュータートレインにはじめて乗った」と言った。

文化の違いをかなり感じ、「この切符(ジャパンレイルパス)でコミュータートレインも乗れるの?」という。そういえばインドでは優等列車はゆったり座席で食事まで出るが、通勤列車はドアも閉まらない超満員の電車で、利用者層がはっきり分かれている。おそらく彼女は海外へひとり旅をするくらいなので、インドでは満員電車など乗らないのではと感じた。日本では「特急列車の自由席乗り放題」などというパスは、当然普通列車も利用できることは説明不要であるが、外国人はそこを理解していない場合もありそうだ。

私が煎餅を差し出すと「私はベジタリアンだから食べられない」というので、「これは米から作られている」というと、1枚だけおそるおそる食べてくれたが、日本で一体何を食べていたのだろうと疑問にも思った。しかし、そのくらい習慣の違う人が日本で鉄道を使ってひとり旅する時代なのである。

新宿から品川まで予約?

新宿に到着し、もう大丈夫と思ったところで、さらに仰天の質問を受けた。到着するやいなや、「切符売場はどこ?」と聞くので、「どこ行きを買うの?」と尋ねると、「新宿から品川までの予約をする」というのだ。私は「ひとりでは無理」と思い、山手線の品川方面行きホームまで同行し、山手線に乗せ、周囲の乗客に「こちらの人、品川まで行きたいそうなのですが、どなたがケアーしてくれませんか」というと、近くの女性がすぐに「私も品川まで参りますので私がご案内します」と言ってくれた。

「私がご案内します」と言ってくれた女性は何とも頼もしく見えたが、「本来なら駅員や車掌がもっとしっかりしてくれないと困るよな~」と感じたのである。

こんなこともあった。新宿駅の「成田エクスプレス」ホームでは、ヨーロッパ系の人が早めに到着してしまったのか、「指定席券を持っているが、1本早い列車に乗れるか?」と駅員に尋ねているのだが、話がかみ合わない。そうこうしているうちに1本早い「成田エクスプレス」のドアは閉まってしまい、彼は「もういい」という感じで憮然としてしまった。こちらも何もできなかった。 

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