今では400万円台も、80年代の名車ヤマハRZV500R レーサーレプリカ・ブームを代表する1台に迫る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、運転できる免許も、排気量無制限の自動二輪免許、いわゆる「限定解除免許」(現在の大型二輪免許)が必要だ。当時の限定解除免許は、教習所では取得できず、運転免許試験場に行くしかなかった。しかも、取得するハードルはかなり高く、十数回も試験に落ちる人もざら。そのため、若いエントリーライダーなどには、教習所で取得できる昔の中型限定免許(いわゆる中免、今の普通二輪免許)で乗ることのできる250ccや400ccのバイクに人気が集まっていた。つまり、500ccのRZV500Rは、高価なだけでなく、免許制度的にも「乗りたくても乗れない」バイクだったのだ。

RZV500Rのライバルマシンたち

NS400R
RZV500Rのライバルとして登場したホンダのNS400R(写真:本田技研工業)
RG500γ
同じくライバルとなるRG500γ(写真:スズキ)

ちなみに、RZV500Rが発売された1年後の1985年に、ホンダはWGPワークスマシン直系の市販車として、400ccの「NS400R」を発売。同年、スズキも500ccの「RG500γ」と400ccの「RG400γ」をリリースした。ホンダやスズキは、自動二輪中型限定免許で乗ることのできる400ccモデルに対応していたことも、当時は、大型クラスよりも中型クラスのほうが売れ筋だったことを裏づける。

そうした当時の背景もあり、RZV500Rに憧れながらも「泣く泣く諦めた」ライダーは、筆者だけではないだろう。それが今では、大排気量のバイクも乗ることができる大型二輪免許も、教習所での取得が可能。乗るためのハードルはグッと下がり、若い頃に限定解除免許を取れなかったベテランライダーでも、今なら取得しやすい。また、当時を知る世代には、子どもが独立するなどで趣味に使えるお金が増えた層も多いだろう。そして、こうした時代の流れにより、「あのとき欲しかったあのバイク」であるRZV500Rにもニーズが増え、先述したように、中古車相場が400万円台の車体さえあるという状態になっているのではないだろうか。

次ページ希少価値の高さから価格は高騰、それでも手に入れたい訳
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事