南阿蘇鉄道、7年ぶり「全線再開」までの長い道のり 三陸鉄道の事例を参考に復旧スキームを構築
7年ぶりの列車を祝う沿線
熊本地震で被災して運休となっていた南阿蘇鉄道(南鉄)・立野―中松間が7月15日に復旧し、7年3カ月ぶりに全線再開を果たした。
午前6時に始発列車が高森駅から立野駅に向けて出発した。その後も全国から集まった乗客で満員の列車が何本も立野―高森間を往復、途中の駅では地元住民が「おかえり南阿蘇鉄道」の横断幕や歓迎の小旗が出迎え、駅も沿線もお祝いムードに包まれた。11時からは高森駅近くで記念式典が行われた。
「次の世代への可能性を残したい」――。
式典であいさつに立った南鉄の草村大成社長が、鉄道再開の思いをこう述べた。
南鉄は南阿蘇村、高森町など沿線自治体が出資する第三セクターの鉄道会社。JR豊肥本線の立野駅を起点として、熊本県の阿蘇カルデラの南側を走って高森駅に至る17.7kmの路線を運営する。もともとは国鉄高森線として開業したが、廃止方針となったことを受けて同社が継承した。
草村社長は高森町長も務めている。そして吉良清一副社長は南阿蘇村の村長。つまり南鉄は資本面、経営面で沿線自治体と一体化しているわけだ。
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