【後編】トラブル続出「定年後再雇用」のQ&A 更新上限の年齢を超えて働く人、どう対応?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

【Q-5】

当社の有期契約の更新上限は65歳なのですが、72歳でも働いている人がいます。今回、ある従業員を更新上限65歳で契約終了する旨を伝えたら、他の人は72歳でも働いていると指摘してきました。どのように対応すればよいでしょうか。

【A-5】

高年法を理由とした継続雇用の合理的な期待は「65歳まで」といえるかもしれませんが、会社の運用上、それを超えた継続雇用の実態があれば、65歳以上の継続雇用の期待が生じていると判断されるリスクが高まります。

単に「更新上限が65歳だから」という理由以外にも、更新をしない理由(更新されている人は特殊な業務を行なう、あなたは懲戒処分があったなど)を具体的に説明することで、誤解が生じないようにする工夫も必要になります。

従業員の気持ちにも配慮を

『企業実務6月号』(日本実業出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

このように高年齢者雇用をめぐる紛争は多岐にわたりますが、高年齢者雇用を検討するにあたっては、会社側の事情だけでなく、高年齢者である従業員の気持ちも十分に配慮する必要があります。

「生活のために働かなければならない」「会社を辞めても特にやることがないので、慣れた仕事を健康な限りは続けたい」「会社には感謝している。会社から与えられた仕事をやるだけ。条件も気にしない」「私はもう疲れた。できることなら早く会社を辞めたい」など高年齢者の意向は様々です。

労使のコミュニケーションを良好に保つことが、トラブル回避には重要です。

著者プロフィール
岸田 鑑彦(きしだ あきひこ) 
使用者側労務専門弁護士として、訴訟、労働審判、労働委員会等あらゆる労働事件の使用者側代理を務めるとともに、労働組合対応として団体交渉に立ち会うほか、企業法務担当者向け、社会保険労務士向けの研修、セミナー講師を多数務めるなど、労働法分野のあらゆる側面において企業活動を支援している。(杜若経営法律事務所)。企業実務の公式サイトはこちら
企業実務
きぎょうじつむ

仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、わかりやすく、タイムリーにお届けする月刊『企業実務』。経理・税務・庶務・労務の事務一切を一冊に凝縮。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”を貫き、事務部門の業務を全面的にバックアップしている。企業実務の公式サイトはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事