「社長なのに会社ルール破る」文春創業者の破天荒 菊池寛「二度も学校から除籍」波瀾万丈な人生

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菊地寛
菊地寛(イラスト:本書より)
誰もが知っている文豪たちにも、仕事や勉強、家族や借金取りから逃げた過去があります。しかし逃げた先で、歴史に残る名作が誕生しています。著述家の真山知幸氏の新著『逃げまくった文豪たち 嫌なことがあったら逃げたらいいよ』を一部抜粋・再構成し、菊地寛のエピソードを紹介します。

作家が生来持っているアウトサイダーな気質からだろう。本人が望むと望まざるとにかかわらず、学校や会社からドロップアウトしやすいのが、物書きの性(さが)である。

小説『真珠夫人』が大ヒット

菊池寛もまた例外ではなかった。菊池は、小説『真珠婦人』を生んだヒットメーカーでありながら、文藝春秋社を創業して実業家としても成功している。そう聞くと、なんだか社会性がありそうだが、行動はやはりぶっ飛んでいた。学生時代は、素行の悪さから二度も学校から除籍されているし、経営者としても常識外れな言動で、社員をあきれさせている。

もっとも菊池の場合は、最初から落第生だったわけではない。図画や習字を除けば、どの科目も成績優秀。また母が芝居好きだったこともあってか、作文や俳句といった創作も得意で、中学時代には懸賞作文で入選を果たしている。さらに菊池はテニスや野球とスポーツにも打ち込んだ。

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