鉄道の車中で聴くべき音楽は、これだ! 「歌鉄」ミュージシャンが厳選

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地下鉄にピッタリの音楽は?

地下鉄には打ち込み音楽がお薦め

大都市近郊に張り巡らされた地下路線。各路線ごとに個性があるが、一般的な名曲を楽しもうと思うと駅間が短く、1分~3分で次の駅に着いてしまう。加減速も多く、集中できない。人工物だけが規則正しく並ぶ車窓(できれば写真のように先頭車両でかぶりつきたい!)の中でしっくりと来るのは、少しのズレもない打ち込み音楽だった。

乗りつぶしでは、土地勘のない大阪市営地下鉄を攻略する行程で大変苦しい思いをしたことを思い出す。(いかにしてこの状況を楽しく乗り切るか!?)といった点に主眼をおいた選曲になった。

『ヒゲドライバー2UP』ヒゲドライバー

■ ukigumo

ファミコンやゲームボーイなどの8bit音(ピコピコ音)を使った「チップチューン」の代表的アーティスト。地下路線に乗りながら聴くと温かみを感じてしまうから不思議だ。

チップチューンではこのほかにYMCKがお気に入り。だんだん駅を歩く人さえもゲームのキャラクターのように見えてしまうほど、楽しい作品。40代以上の方は懐かしさに胸を熱くすることだろう。

 

『Discovery』ダフト・パンク(ワーナー・ミュージック・ジャパン)

■ Digital Love

フランスのエレクトロ・デュオ。世界を席巻したこのアルバムは2001年発売。すでに十年以上が経過しているが、今聴いても色褪せない魅力を持つ定番である。トンネル内に定期的に光る蛍光灯の灯りがディスコのミラーボールのキラキラに見えてくるほどファンキーなアルバムだ。

 

『Trans-Europe Express』クラフトワーク(EMI / Capitol)

■ Trans-Europe Express

1977年4月発売、ドイツの電子音楽ユニット・Kraftwerkのアルバム。打ち込みとシンセサイザーの重層的なアプローチが無機質で機械的。タイトル曲の「Trans-Europe Express」と次の「Metal On Metal」を自然物の全くない地下で聴くと自分が工業製品になってしまったかのようなやられ方をする。

 

『DAOKO』DAOKO(トイズファクトリー)

■ 水星

DAOKOは2015年3月にメジャーデビューした女子高生ラッパー。洗練された音と透明感のある声質がクセになる。10代の鋭敏な感覚と選び抜かれた言葉が矢継早に飛び込んでくる。アルバムのリードドラック「水星」は、2015年現在の都市の真下にいることを強く実感する、美しく洗練された作品である。

 

このほか、地下と高架を両方楽しめる路線としてJR東日本京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線などがある。地下に潜って視界を奪われる瞬間、地上に浮上してバッと視界が開ける瞬間は、音楽を聴くタイミングと相まってとてもドラマチックだ。今回は、高架と地下の路線を旅するうえでのおすすめ8曲をご紹介した。次回をお楽しみに。

オオゼキ タク シンガーソングライター

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優しく透明感のある歌声と類稀なるメロディメイクの才能を武器に2004年Victorからデビュー。楽曲提供、高校の校歌作曲などを経て独立。鉄道旅好きが高じて、2012年日本全国のJR私鉄全線完乗。向谷実氏作品への参加、鉄道写真家中井精也氏とのコラボなど新領域に挑戦中。

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