鉄道の車中で聴くべき音楽は、これだ! 「歌鉄」ミュージシャンが厳選

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『ひこうき雲』荒井由実(ユニバーサルミュージック/EMIレコーズ・ジャパン)

■ ひこうき雲 ■

ユーミンのファースト・アルバムで、1973年当時は東芝EMI株式会社からリリース。タイトルナンバー「ひこうき雲」、この歌の背景には悲しいエピソードがあると言われているが、どこか迷いがなく凛とした印象を受ける楽曲だ。さえぎるものもなく目の前に大きく開く空を見ていると、閉塞した気持ちに一本すっきりと筋が通っていくようで気分がいい。インスピレーションを受けたと言われているプロコルハルムの名曲「青い影」へと聴き進んでルーツに思いを馳せるのも楽しい。

 

『Blowin’in the Wind』ピーター・ポール&マリー(ワーナー・ブラザーズ・レコード)

■ Blowin’in the Wind

ピーター・ポール&マリー(通称:PPM)の1964年に発売されたアルバム。晴れ渡った空の下、高架路線の下を走る道路ではしゃぐ若者たちを見つけ、彼らも大人になっていくのか・・などと思いを馳せながらラストの「Blowin’in the Wind」を聞いてみよう。作曲したボブ・ディランのオリジナル・バージョンも飄々として渋みがあり捨てがたいが、左右のイヤホンから大胆なパンで飛び込んでくるPPMの美しいハーモニーの爽快感が高架路線とマッチして個人的に好みだ。

 

『宇宙日本世田谷』フィッシュマンズ(ポリドール)

■ Weather Report

1997年7月24日に発売になったアルバム。エフェクティブで浮遊感のあるダブ・サウンドが、心地よく脱力させてくれる。2曲目「Weather Report」を聴きながら、車窓に広がる空に紙飛行機が飛び続けている空想を浮かべてみれば肩に入った余計な力をすっかり抜くことができるだろう。アルバム『空中キャンプ』に収録された長編「ナイトクルージング」もおすすめ。

 

『道』森高千里(ワーナー・パイオニア)

■ 道

1990年アルバム『森高ランド』からシングルカットされた曲。グリコポッキーのCMソングとして覚えている方も多いだろう。アルバムは派手目な楽曲が多いが、秀逸なこの美メロソングをチョイスしてみた。

眼下を歩く恋人たちの足取りを追いながら、昔の恋人とのエピソードなどを回想しつつ、切なさにキュンとなってもらいたい。

YouTubeには本人がセルフカバーしたバージョンもあるので、そちらもぜひチェックしてみていただきたい。

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