再開発で移転「Bunkamura」映画館の新たな挑戦 7月には初の配給作品「大いなる自由」も上映
例えば「ヴィム・ヴェンダース特集」だと男性ファンが多く、ル・シネマ初の邦画作品となった濱口竜介監督の『偶然と想像』では、普段邦画しか観ないというお客さまもいらっしゃいましたし、逆にル・シネマによくいらしてくださるお客さまが、濱口監督に触れる機会にもなりました。
それからインド映画の『RRR』をムーブオーバーで上映させていただいたときも、そこに意外性を感じていただいた方もいらっしゃいました。
――新しくオープンした「ル・シネマ 渋谷宮下」は、どういったコンセプトで作品を上映していくのでしょうか?
野口:やはり閑静な松濤と、人通りの多い駅前だと雰囲気も違ってきます。それとキャパシティも移転前が150席と126席だったところが、移転後は268席と187席に。両方合わせると1.7倍くらいになるので、キャパシティの違いもあります。
はじめて複合文化施設を飛び出すことになるので、違ったことにもチャレンジしていきたいなと思っています。
旅に出るつもりでチャレンジする
浅倉:当初は移転することに不安がなかった、といえば嘘になりますが、今はせっかくだから旅に出るつもりで。4年後の2027年度中に再開する予定の新しい「ル・シネマ」に向けて新たな光を取り入れましょうということをみんなで話し合った記憶があります。
もちろんこれまで来ていただいたお客さまとしっかりと向き合いつつも、今までル・シネマを知らなかったお客さまを開拓していくという、ハイブリッドなスタイルでやっていけたらと思っております。
野口:7階の大きいキャパシティのスクリーンでは4K上映と、35ミリフィルムでの上映が可能となっています。近年は旧作上映というのがお客さまの人気が高いので、そうした上映も行いながらも、きちんと新作も紹介していけたらと思っています。
――7月7日からは『大いなる自由』が上映されます。これはBunkamura初の自社配給作品となるそうですが。
野口:今までも『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』『ディオールと私』など配給会社さんが買った作品を共同出資で提供させていただいたことはあったのですが、自分たちで買い付けて、全国配給するというのは初となります。
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