メタの「Threads」が新規性ゼロでも価値ある理由 Twitterにはない「配慮」に見える本当の目的
スレッズをパッと使い始めた印象だけで言えば、それは紛れもなくTwitterで「見慣れた風景」である。Twitterに酷似している一方で、ほとんど“新しい体験”がない。
Twitterだけではなく、Instagramでユーザーが頻繁に使っているような機能すら、存在していないほどだ。
たとえば検索機能は、他のユーザーを探すことしかできない。投稿の文言からの検索はできず、SNSではお馴染みのハッシュタグも機能していない。ザッカーバーグ氏が「7時間で1000万ユーザー」と書き込んだ投稿をリンクしようと試みたが、残念ながらURLを取得する機能はなかった。
スマートフォンアプリでのみ利用でき、タブレット用アプリはなく、ウェブブラウザからも利用できない。
これらの制約や機能の欠落は、おそらく開発優先順位の問題でしかないだろう。1日足らずで3000万の新規ユーザーを受け入れた強力なサービスインフラを用い、ユーザー動向が見極められたタイミングで順次、新しい機能を追加していくと考えられる。
Twitterとの決定的な違いは?
一方で、意識的にTwitterとは差別化したような設計も散見される。それは極めて細部にわたるものだ。
Instagramは、コミュニティの中にネガティブな要素が極力表出しないよう配慮されているが、同様の配慮がスレッズにも施されている。
日常を投稿する人が多いTwitterは、広告をターゲットするための適切なプラットフォームだというのが、これまでのTwitterの主張であろうし、今後も変わらないはずだ。しかしTwitterのタイムラインはときに殺伐となりがちで、突然、見知らぬ誰かから“指をさされる“可能性がある。
ほとんどの場合、指をさされたところで大きな影響はないが、大きな炎上へとつながったり、誤解、曲解が繰り返され、もはや元の発言者の手に負えなくなることも少なくない。
本来、議論に向いていない短文投稿型SNSのTwitterで“終わらない議論“が多いのは、短文ゆえに誤解の連鎖が起きやすいことも理由だろう。
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