突然現れたメタ版ツイッター「Threads」の実力 ツイッターの領域に正面から勝負を挑むアプリ
ツイッターのユーザーにはすぐに「レート制限」を超えたというメッセージが表示され、短時間の投稿閲覧でアプリが事実上使えなくなった。多くのツイッターユーザーは不満を募らせた。
「数十億ドル規模の企業で、その企業の成功を左右する顧客そのものを恨んでいる、これほど自滅的な経営者がかつていただろうか」と、マーケティング・広告技術戦略会社AJLアドバイザリーの創設者兼CEOのルー・パスカリスは、マスクとツイッターについてこう語った。
ツイッターの今回の騒動は、ザッカーバーグに糸口を与えたようだ。
メタの幹部は昨年から、ツイッターの混乱を利用する方法について、ライバルサービスの構築も含めて議論してきた。ニューヨーク・タイムズが12月に報じたところによると、「ツイッターは危機的状況にあり、メタは力を取り戻す必要がある」と、メタのある社員は昨年の社内投稿に書いている。「彼らのパンとバターを取りに行こう」。
その結果、インスタグラムからスピンアウトしたクラッシュプロジェクト、スレッズが誕生した。アップルのApp Storeに表示されているアプリのプレビュー写真によると、ユーザーはインスタグラムのアカウントを使ってスレッズにログインできる。
メタの幹部は以前、このアプリをマスクの常軌を逸した行動に対する微妙なジャブとして、一般向けソーシャルネットワークの「健全に運営される」バージョンと位置づけていた。
マスクは「Yeah」と反応
マスクとツイッターにコメントを求めたところすぐに返答しなかった。しかし、スレッズは瞬く間にネット上で注目を集め、ツイッターの創設者の1人であるジャック・ドーシーがアプリのデータポリシーのスクリーンショットをツイートし、マスクは「Yeah」と答えた。
メタ社の広報担当者は、コメントの要請にすぐには応じなかった。
メタは独自の課題に直面しながらスレッズを立ち上げようとしている。シリコンバレーの同社は、没入型のデジタル世界、いわゆるメタバースへの移行に多額の投資を行ってきた。しかし、メタバースが主流とはほど遠いことを考えると、この動きは懐疑的に受け止められている。