その中古品に商機を見出した「コメ兵」の正体

ブランドに強い老舗の持つ買取・販売の妙

中古品は「都市鉱山」といわれている。たとえば、使われない携帯電話があったとする。内部にはレアメタルがあるから再利用できる。また、その携帯電話を分解せずとも、そのまま他人に譲れば環境にも優しい。その他、都市に眠る、資源は数知れない。日本人の消費性向として、中古品を買ってもよいかなと思うのは、新品価格の5~7割だといわれる。逆にいえば、それ以下の価格が実現できれば、十分に訴求力があるわけだ。

コメ兵の歴史と発展・ポリシー

その莫大なマーケットに期せずして参入したのがコメ兵だった。

コメ兵は創業者一族が明治30(1897)年に米屋を創業し、かつ名前が「兵次郎」だったことから、「米兵」と名づけた古着屋(一般衣料と着物)を開店した。その直前には、一家は焼け野原をさまよいながら行商で売り歩いた。そんな中、不要なモノを人々から買い上げて、必要とする人たちに安く売ってあげよう、と思いついた。「不要ならば換金してやり、そして世の人々へ供給しよう」。昭和22(1947)年、名古屋でたった5坪からのスタートだった。

その後、家電製品やカメラ、家具、パソコンなどを取り扱い、今の高級装飾品の中古販売業を主とするようになった。創業の名古屋を中心とし、現在では東京、埼玉、千葉、横浜、長野、京都、大阪、神戸、広島に店を構える。

コメ兵の考えの有名なものに「リレーユース」がある。モノを媒介として、人から人へと伝わって使われていくというもので、そこまでやってもらえればモノが安らかに成仏する。

「他社よりも高く買えばモノが集まり、他社よりも安く売れば人が集まる」

コメ兵の基本的な考え方は、ここに集約される。創業してしばらくは「高く買って安く売る」という明確なポリシーを喧伝していた。地元名古屋ではかつて「いらんものは米兵(当時の表記)へ売ろう!」という身も蓋もないフレーズのCMを流していたし、学校の歴史教科書にアメリカ兵を意味する「米兵(べいへい)」という記述があったとき、学生は「こめひょう」と読み違えると笑い話があったほどだ。

コメ兵の強みとはいったいなにか。中古品販売業ゆえに、強みのひとつは買い取り能力の卓越さと、そして販売の妙だ。

■強み①:買い取り能力の卓越さ

いくつかの雑誌を見て驚くのは、中古品販売業者の中でも、コメ兵の人気の高さだ。人気が高い、というのは、もちろん高額で買い取ってくれるから。しかし、当然ながら、根拠のない高額買い取りではない。

注目すべきは、コメ兵が継続・安定して多くの中古品を買い取っている事実だ。実際に、コメ兵では仕入れを多様化し、都市部を中心に買取センターを設置している。これは良質な都市鉱山を見つけるためと、安定した量の“発掘”が可能だからだ。さらに、中古品のほとんどはお客からの持ち込みとなっている。

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