部品在庫払底の電機業界、「5月危機」の深刻さ

東日本大震災から1カ月以上が過ぎ、被災工場は次々と再稼働へと動き出している。が、水面下で電機メーカーの調達担当者は、不安と焦りを募らせている。「部品在庫が底を突き、5月に入ると、再び生産ラインが止まってしまう」。

4月上旬。ソニーの役員が半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの赤尾泰社長を訪問し、直談判した。現在でもルネサスを訪れ、半導体供給を求めるセットメーカー幹部は、引きも切らないようだ。ルネサスの大株主であるNECや日立製作所、三菱電機まで足を運ぶ企業すら出てきている。ある中堅電機は「社長が出向くと効果的だから、ウチも引っ張り出した。しかしモノがない中で、今回は効果があるのかどうか」とため息をつく。

部品在庫がなくなる日 素材の品薄も影響へ

ルネサスは震災で、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)が深刻な被害を受けた。現在は6月以降の再稼働を目指し復旧中。「5月分の注文には在庫で7割まで応えられる」と説明するが、残る3割はメドが立たず。別工場への振り替えやファウンドリー(受託生産会社)への委託を行ったとしても、生産完了に1~2カ月を要する。5月からは空白の3カ月間となりかねず、取引先の自動車や電機、工作機械業界は危機感を強める。汎用品と違い、マイコンやシステムLSIなど特注品が多いため、代替品を探すのも難しい。

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