ヨーロッパにも「そば」を好む国があった! 日本と人口200万の国の意外な共通点

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――スロベニアにはすばらしい自然とそこからの産物がありますね。これからビジネスにおいて日本に期待することは何でしょうか?

日本のよい部分とスロベニアのよい部分をうまく融合させて、よりよいものを作っていきたいです。

たとえば、スロベニアの強みは創造性です。あまりよくは知られていませんが、IT技術の多くはスロベニアで作られており、IT企業がたくさんあります。と、いうのもスロベニアは他国との中で生き残るために、状況に適応して独創的なものを作り上げなければいけません。

そのために独創的なものを創り出し、さらにそれを改善していく力を持った人が多いです。研究者やデザイナー、科学者などがたくさんおり、いつも何か新しく特別なものを見つけ出そうとしています。

ユーロを真っ先に導入するような「先取の精神」

――最初に行動を起こすことも好きですよね。電気自動車を最初に開発したのはスロベニアですし、2004年にEUに加盟した際にも最初にユーロを取り入れています。

小さい国ですので、競争力がないといけないのです。

しかしながら、これから補わなければいけない点は、組織としてそれらをコントロールしてまとめていき、規則的に行うことです。それは日本が得意とするところですね。そこでお互いの強みを持ち寄ってコラボレーションをすれば、お互いにとって利益になります。ただ、仕事への考え方が日本とスロベニアは異なりますので、そこは注意が必要です。

日本には仕事のために生きている人がいますよね。しかし、スロべニア人は生きるために働いています。利益を得るというゴールは同じでも、アプローチが異なります。

いつも仕事のことを考えているわけではなく、休暇のことも考えており、仕事のときは集中しますが、仕事が終わったらハチと過ごしたり、趣味やスポーツをして楽しみます。そこを理解したうえで、ぜひこれから一緒によりよいものを創り出していきたいです。

竹村 真紀子 IWCJ代表

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たけむら まきこ / Makiko Takemura

一般財団法人International Women's Club JAPAN(IWCJ)代表理事
International Women's Club ASIA(IWCA)事務局長。日韓中を中心にグローバルマインドをもつ家族で構成される俱楽部を運営し、アジア圏でのビジネスマッチングを推進するとともに、次世代がアジア人としてグローバルに活躍できるよう、30カ国以上の駐日大使館の協力を得て、子ども向けにリトルアンバサダー・プログラムを開催。国際機関で海外人向けの「日本のビジネスマナー」研修を担当。
 

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