ヨーロッパにも「そば」を好む国があった! 日本と人口200万の国の意外な共通点

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スロベニアのそばはまだまだ国内消費がメインで、大量に輸出することは難しいのですが、同じ「そば」を愛する国民としてスロベニアを知ってほしいです。

――そばを使ったお菓子などおいしそうですね。ぜひいろいろなレシピを知りたいです。

レシピの改良という意味では、今、輸出に力を入れているのがパンプキンシードオイルです。サラダやスープに入れて使うのですが、日本で面白い使い方をしている会社に出合いました。その会社はパンプキンシードオイルをアイスクリームに使っているのです。この使い方は私にも驚きでした。

ハチがペット?!

――日本人は改善が得意ですからね。スロベニアに逆輸入してみてはいかがでしょうか? ほかにスロベニアの方の心を理解するために、知っておいたほうがよいことはありますか?

ハチでしょうか。スロベニアではハチと人はとてもつながっています。

スロベニアにはいろいろな種類のハチがいますが、中でもグレー色をした特別なハチもいて、18世紀に科学者がハチについて本を書いたほどなのです。

スロベニアは自然が守られており、ハチが育つ環境が整っています。それぞれの家庭が裏庭でハチを趣味のひとつとして、ペットのように育てているのですよ。私の家族も祖父母の時代から育てており、本当は私も受け継ぎたかったのですが、残念ながら外交官として各国に赴任しなければいけなかったために、継ぐことができませんでした。

――裏庭で採れた自家製ハチみつを食べることができるのですか?

そうです。小さい頃は祖父母と一緒に庭に座ってハチの世話をしていました。庭にいつもハチが飛んでいましたから、生活はハチと一緒にあるのです。それぞれの家にはハチの巣箱があるのですが、その箱にすてきなペインティングをすることが各家庭の楽しみでした。スロベニアにはみつロウなどハチみつを使った製品が多く、ハチをモチーフにしたお土産などは17世紀からあるほどです。それほど昔から人々の生活の中に入っていました。

――ハチも小さい頃からの思い出ですね。

そうです。お菓子に使ったり、ワックスに使ったり、ハチみつの香りはとても懐かしい香りです。近年、ハチの数が激減しているとニュースにあります。そのニュースは日本人にとってはあまり大きなニュースではないかもしれませんが、私たちにとっては人の数が減っているのと同じぐらい重大なことで、ハチがいなければ人も生きられないと思うぐらいです。「ハチのように働く」というようなことわざもあるほど、ハチから多くのことを学んでいます。

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