離職率を激減させる2つのエモーショナルな方法 感動を共有することでチームワークを高める

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年齢に関係なく、誰にでも母性や父性はあると思います。どんなに後輩を育てる大切さを説いて聞かせても、それはなかなか自分事として受け止められません。ところが、家族の手紙を読んだ瞬間に自分事となり、「自分が育ててあげよう」と責任感が生まれるのです。

このセッションはここでは終わりません。感動的な時間を過ごしてから、新入社員には親御さんに御礼の手紙を書くように宿題を出します。封筒と便箋と切手を渡して、「24時間以内に渡してくださいね。家族と離れて暮らしている方も、24時間以内にポストに投函するように」と伝えます。

新入社員のなかには、「生まれて初めて手紙を書きました!」という人も大勢います。つたないながらも、自分の気持ちを手紙につづって、それを親御さんに渡します。

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私は渡すときに立ち会えませんが、照れくさそうに渡す新入社員の姿も、驚きながらも喜んで受け取る親御さんの姿も目に浮かぶようです。

やがて、手紙を受け取った親御さんから、「子供から手紙をもらえるなんて、一生の宝物になりました」と人事部に御礼状が届き出しました。それを読んで人事部も、「ああこの仕事をやっていてよかった」と感激して、自分の仕事の意義を実感したそうです。

このように、あちこちで幸せな嵐を起こせるのが「家族の手紙」というセッションです。このセッションを導入した企業では、離職率がガクンと下がりました。トレーナーが家族のように一所懸命育てるので、新入社員は「ずっとここで働きたい」と思い、トレーナーもまた教える喜びに目覚めるのでしょう。

親御さんがすっかりその会社のファンになっているのも大きなメリットです。子供が「仕事がツラいからやめようかな」と言ったら、「あんなにいい会社、ないのでは? もうちょっと頑張りなさい」と引き留めるストッパーになりました。人は感動を体験したら、ちょっとやそっとではその場から離れられなくなります。皆さんも感動を共有できる場をつくってみてください。

※なお、このセッションを行うときは、親御さんから「手紙をみんなの前で読んでもいい」という許可をいただいています。ただ最近は、親からの手紙を人前で読まれたくないという新人もいます。その場合は全員の前ではなく、個別に読んでもらうケースもあります。
加藤 芳久 株式会社ファイブベイ 取締役 副社長

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かとう よしひさ / Yoshihisa Kato

大学卒業後、大手旅行会社、コンサルティング会社を経て、2016年に株式会社加藤経営を設立。日本ハム、三井ホームなどの大手企業を中心に、これまで200社以上に対して人財育成の体系化・組織風土変革を支援。台湾、シンガポールなど海外にも活躍の場を広げている。 2022年には、株式会社ファイブベイ(FiveVai)設立、取締役副社長兼CHO(チーフハピネスオフィサー)に就任。

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