離職率を激減させる2つのエモーショナルな方法 感動を共有することでチームワークを高める
今の若い世代は肉筆の手紙を書く経験はほとんどしていません。親御さんの世代も、メールでのやりとりが主流になっているでしょう。そのようななかで、一所懸命に文面を考えて、何度も書き直したりしながら肉筆の手紙を書く、というその行為自体が尊いのです。
美しい字で書いてある手紙もあれば、キレイな字とは言えないけれども、丁寧に書いてあるのがわかる手紙もあり、それを見ているだけで胸が熱くなります。
トレーナーにも責任感が生まれる
研修では普通に机を並べて講義していますが、このセッションを行うときは机をすべてどけて、みんなで輪になって座ります。このとき、新入社員、トレーナー、新入社員、トレーナーと交互に座ってもらうのもポイントです。そして、事前に気持ちが盛り上がるようなイメージ映像を見せて、場を温めておきます。それから、「皆さんの親御さんから手紙を受け取っています」とおもむろに発表すると、当然、その場はざわつきます。
「みちるへ みちるが生まれてきたときは未熟児でした。『この子は大人になれるんだろうか』と、お母さんもお父さんも本当に心配しました。だけど、その後すくすく育って、言葉も覚えて話せるようになって、あちこち走り回るようになって、本当にかわいくてかわいくて仕方なかったです。お父さんは、毎晩、仕事から帰って来たらあなたの寝顔をずっと見ていましたよ。小学生になり、ランドセルを背負ったみちるの姿を見て、お母さんは涙が止まりませんでした……」
このような家族からの愛情のこもった手紙を代読しながら、トレーナーは涙で言葉が詰まります。手紙をもらった新入社員は涙が止まらなくなり、その光景を見て、会場の隅にいた人事部の方も涙を流します。何より、司会をしている私が一番号泣しています。そのような涙、涙のセッションなのです。
これは新入社員に「これから仕事を頑張ろう」とスイッチが入るだけではありません。手紙を読んだトレーナーにも、バシッとスイッチが入ります。今まで新人が入ってきても、「ああ~、今年もまた後輩の面倒を見るのか。面倒だなあ。自分の仕事もあるのに」なんて思っていたわけです。それが、親御さんの手紙を読んだときに、「ああ、この後輩はこんなにもたくさんの人に愛されているんだ。自分も本気で育てなきゃいけない」と、親心スイッチが入るのでしょう。
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