「本能寺の変」直前!家康と信長の距離感の変化 駿河をもらった家康、その後の2人のやりとり

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信長というと、世間の評判など気にしない、我が道を行くイメージがあるかもしれないが、『信長公記』を読むと、世間の目というものを、思いの外、気にしていることがわかる。

さて、5月20日、信長は家康の接待を、丹羽長秀・堀久太郎・長谷川竹・菅屋九右衛門の4人に命じる。

本能寺の変の一報が届く

お座敷での食事の際には、信長自らがお膳を据えるという「サプライズ」もあった。食事が終わると、信長は家康らを安土城に招待し、帷子を下賜したりした。

翌日、家康は上洛する。「京都・大坂・奈良・堺をゆっくり見物されよ」という信長の意向に沿ったものだった。案内者は、長谷川竹。織田信澄と丹羽長秀は大坂で家康をもてなす手はずとなった。

和泉国堺を見物中、家康に衝撃の情報が入ることになる。それは「本能寺の変」の一報であった。

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数

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