東京にNATO連絡事務所の開設「仏が反対」の裏側 NATOと日本政府が協議中、マクロン大統領の思惑
フランスのニュース専門テレビ、BEMTVは6月12日、マクロン氏は「全能の大統領でなくなったことを理解するのに1年かかった」と皮肉った。2017年に大統領に就任したマクロン氏は足元の中道・共和国前進党(現ルネサンス党)が議会で圧倒的多数を占めたことから、議会審議を無視して次々に改革を断行した。「決めるのは私だ」が口癖だった。
ところが2018年に始まった反マクロン政権の黄色いベスト運動は長期化し、昨年、再選された直後の下院選ではルネサンス党は過半数割れした。それにもかかわらず、全能ぶりを続けて痛い思いをした。
対ロシア、対中外交で成果を上げられない焦り
大統領本来の責務は外交で成果を上げ、国家の威信を示すことだが、その後も対ロシア、対中国外交で成果を上げられず、焦りがあることは否定できない。
そこに浮上したNATO東京連絡事務所の開設の話に対し、マクロン氏はフランスの外交の実力を示すチャンスとばかりに「ノン」を主張している。
もちろんマクロン氏なりの理屈あっての反対だが、次のNATOのリトアニアでの首脳会談で存在感を示せるのか、そして東京連絡事務所の開設についてどういう判断を下すのかは、今後の日本とフランスの関係にも影響を与えそうだ。
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