なぜ禁止?学校での「日焼け止め」論争への大疑問 使わせたい保護者VS使わせたくない学校

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では、紫外線対策はどのようにすればいいのでしょうか? 先ほどの日本小児皮膚科学会のサイトの「保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策に関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解」の中では、水遊びのときの対策を4つ挙げています。以下、要約して紹介します。

1,紫外線の強い時間帯を避ける
2,泳がない時はプールサイドのテントで肌を守る
3,プール外では体操着の着用。泳ぐ時はラッシュガードの着用
4,日焼け止め(サンスクリーン剤)を使う。サンスクリーン剤によるプールの水質汚濁が懸念されているが、耐水性サンスクリーン剤を使用すれば汚濁されないことが複数の研究により明らかにされている。塗る時間は午前中であれば登園前に自宅で、午後であれば昼休みに塗ると良いでしょう

この統一見解は保育所・幼稚園向けとなっていますが、小・中・高校でも全く同じことが言えるはずです。このようなわけで、園や学校においては日焼け止めを禁止するのではなく、積極的に使う方向に舵を切るべきではないでしょうか? 使用の禁止ではなく、また黙認や許可制でもなく、むしろ積極的に使用を推奨するべきではないでしょうか?

なぜ、積極的に使用すべきとならないのか

ただ、そこで問題になるのは、先生たちにまた新たな仕事が増えるということです。もちろん、日焼け止めの使用方法について各家庭で保護者が子どもに指導するのは当然ですが、やはり園や学校での指導も必要になります。つまり、子どもたちが日焼け止めを適切に塗るように指導したり、忘れた子への対応をしたりしなければならないのです。

もともと水泳授業の前には、健康観察・プールへの移動・着替えなどに時間を要する上に、日焼け止めを塗る時間も確保しなければなりません。水泳授業の度に、こうしたことを最大40人もいる子どもたちに行う必要があるわけです。ただでさえ大変な先生たちの仕事を、さらに大変にするのは気が進まないという思いもあります。

でも、それでもやる必要があるとも思います。そもそも日本の学校がいつまでも大人数の一斉集団教育のまま放置されてきたことに問題があるのですから、しっかりした予算措置を講じて先生の数を増やし、1クラスの人数をより少なくしていくことが必要です。

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