なぜ禁止?学校での「日焼け止め」論争への大疑問 使わせたい保護者VS使わせたくない学校

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こうした話題の盛り上がり方でもわかるように、紫外線対策のために子どもに日焼け止めを使わせたい保護者と、できたら使わせたくない学校の間で毎年このような攻防戦が繰り返されているのです。

では、そもそもなぜ紫外線対策が必要なのでしょうか? 日本小児皮膚科学会のサイトには次のように出ています。

紫外線対策はなぜ必要?

日焼けは日光の紫外線で起こります。紫外線をたくさん浴びすぎると、
① しわやしみなどの皮膚老化を早める
② 将来、皮膚ガンを起こしやすくなる
③ 目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというガンなど)を起こしやすくなる
ということがわかっています。
赤ちゃんのうちから、強い日焼けをしすぎないように注意してあげることは、生涯健康で過ごすために、とても大切なことです。

私はこれを読んで母親を介護していたときのことを思い出しました。当時86歳の母に皮膚がんが見つかり、皮膚科で治療を受けました。そのとき、医師が次のように言いました。

「高齢者の皮膚がんが増えている。昔は紫外線対策をしていなかったので、小さいときから紫外線をたくさん浴びてきたからだ。以前は寿命が今ほど長くなかったので、皮膚がんができる前に亡くなる人が多かった。でも、これからさらに寿命が長くなると、高齢者の皮膚がんが増加するだろう。子どものときからの紫外線対策が必要だ」

厚生労働省のサイトによると「2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きる」という推計があるそうです。こうしたことを考えると、子どもの頃から適切な紫外線対策をする習慣が本当に大事だということがわかります。

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