「3日後にアパート退去」"4トンのゴミ屋敷"の顛末 40代1人暮らしの男性が片付けを依頼したワケ

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実際に過去のニュースを見てみると、スプレー缶が原因となったパッカー車の爆発・炎上事故はかなりの頻度で起きていることがわかる。ゴミ屋敷にかかわらず、普段のゴミ捨てから私たちも細心の注意を払う必要があるだろう。

ゴミ屋敷の居間
ゴミ屋敷の居間
依頼主が寝室としても使っていたという居間。10年ぶりに床が姿を現した(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

その日のうちに解決するかもしれない

月に130軒ものゴミ屋敷を片付けていれば、壮絶な現場にも遭遇する。ふすまを開けた瞬間にイタチが飛びかかってきた部屋もあった。ゴミ屋敷と化したお寺の片付けには、その面積の広さから丸4日もかかった。その寺は生活ゴミが多く、まるでハエのようにゴキブリが空中を飛び回っていたという。

ゴミ屋敷連載
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団地などエレベーターが設置されていない物件の場合、ゴミの運び出しはかなり大変だ。しかし、どれもイーブイにとっては「たいしたことではない」という。

「ゴキブリが大量に発生しているときは、近隣に迷惑がかからないように窓を閉め切って作業をするしかありませんが、正直私たちはゴキブリくらいへっちゃらです。素手で捕まえるスタッフもいるくらいです(笑)。エレベーターがない物件は人数を増やして対応するので、そのぶん料金は上がってしまいますが、逆に言えば人を増やすだけなので私たちにそれほど負担はありません」

この依頼主の男性もイーブイのスタッフたちに対して、終始申し訳なさそうに頭を下げ続けていたが、ゴミ屋敷に限らず個人の心配事というのは他人からすればちっぽけであることがほとんどだ。「自分の部屋がゴミ屋敷と化してしまい困っているのなら、案ずることなく業者に頼ってほしい」と二見社長は話す。

たったの2日、下手したらその日のうちに問題は解決してしまう。今まで悩んでいた時間は何だったのだろうと思えてくるはずだ。

ゴミ屋敷のafter
ゴミ屋敷after
人が通るのも困難だった玄関はすっきりとし(上写真)、もうひと部屋あった和室も山積みだったモノが姿を消した(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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