北大阪急行線、延伸で急上昇する「箕面」の知名度 2023年度末、御堂筋線の行き先が「箕面萱野」に
北大阪急行線は1970年2月24日、日本万国博覧会(大阪万博)の開幕を前に南北線と会場線(東西線)が開業した。現路線に「北大阪急行南北線」という名称があるのはその名残。当時は「万国博急行」との愛称もあった。
会場線は現在の千里中央駅手前のトンネル内で東へカーブを描き、万国博中央口駅まで結んでいた。中国自動車道の上り線に暫定的に線路を敷設、“千里中央駅”はそのルート上の仮駅だった。御堂筋線の南端だったあびこ駅までの相互直通運転によって全国から押し寄せる万博来場者の輸送に貢献、万博閉幕後はベッドタウンの通勤通学の足となり現在に至っている。
今回の延伸の事業主体は箕面市と北大阪急行電鉄。総事業費は874億円。内訳は工事費811億円、車両費63億円となっている。総事業費のうち、北大阪急行が110億円、国と地方(箕面市と大阪府)が382億円ずつを負担する。箕面市の負担分282億円は全額、ふるさと納税を含む寄付などを積み立てた「北急貯金」と競艇収益金でまかなうという。
延伸で2つの新駅誕生
延伸区間の途中には「箕面船場阪大前駅」を設ける。周辺はもともと繊維卸業者の商業団地として開発されており、地名は大阪市中央区の船場に由来する。駅前には大阪大学箕面キャンパスの建物と、市立文化芸能劇場と船場図書館などで構成する複合公共施設がすでにオープンしている。市は新御堂筋を渡る歩行者デッキと駅前広場も整備する。
千里中央駅から箕面船場阪大前駅の先までがトンネルで、箕面萱野駅寄りの800mは高架となる。終点の箕面萱野駅は、地元では「いないち」と呼ぶ国道171号線の萱野交差点を越えた先に建設中。「みのお中央」エリアの大型商業施設「みのおキューズモール」と直結する。駅ビルのほか、バスターミナルやタクシー乗り場・駐輪場を整備する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら