岸田首相=「息子に甘いパパ」が払う痛すぎる代償 忘年会写真で結局更迭、上げた支持率も下がる
そもそも、どれだけ相手を信頼していても、安心しきるわけにいかないのが、政治の世界だ。票数で勝ち負けが可視化される世界では、虎視眈々と失点を待ち受けているライバルも珍しくない。金権政治や汚職ならまだしも、とある1日だけ「ハメを外した」ことを理由に、リスクマネジメントを問われるのは、あまりにもったいない。
支持率は低下、問われる「リスクマネジメント」
筆者は先日、運転免許証の更新へ行ってきた。ペーパードライバーながら、ゴールド(優良運転者)という、あまり胸を張れない属性なのだが、講習で久々に「だろう運転」と「かもしれない運転」と聞き、ネット社会でも同じだよなと感じた。
「だろう」と楽観的に動くのではなく、つねに最悪の事態を考えながら、「かもしれない」と危険を予測する。そして、スマートフォンにおけるLINEやDMは、自動車のドライブレコーダーではないか。安全運転も危険運転も記録され、いざというときには証拠となって、自分自身を有利にも不利にもする──。どちらもHIKAKIN氏の金言と近い印象を受ける。
今回の騒動、さっそく影響は出ているようで、日経電子版は5月28日、この週末の日本経済新聞・テレビ東京による世論調査の結果を「内閣支持47%、5ポイント低下 首相長男の行動影響か」の見出しで伝えた。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同調査では、内閣支持率がほぼ横ばいだったものの、29日の産経ウェブ版記事では、G7サミットによる政権浮揚効果が見込まれながらも、今回の事案などが支持率を押し下げた可能性を指摘している。こうした変化を察知して、早急に辞任での幕引きを決めたのだろう。
なかなか決断しないからと、「検討使(けんとうし)」なる不名誉なあだ名をつけられてしまっていた岸田首相が、就任1年半にして、ようやく存在感を示し始めた矢先の「大ハシャギ」報道、からの翔太郎氏の更迭。野党どころか、自民党内からも苦言が出るなか、政権基盤を盤石にするには、まず身内から再発防止に向けた「リスクマネジメント体制」を構築することが先決なのかもしれない。
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