岸田首相=「息子に甘いパパ」が払う痛すぎる代償 忘年会写真で結局更迭、上げた支持率も下がる
今年4月の衆院補選(山口2区)で初当選した、岸信千世氏も記憶に新しい。岸信介元首相のひ孫であり、父は岸信夫元防衛相、伯父は安倍晋三元首相という「お家柄」を引っ提げて、引退した父の後継候補として出馬。公式サイトに、岸信介氏の弟・佐藤栄作元首相や、晋三・信夫兄弟の祖父である安倍寛元衆院議員、同兄弟の父の安倍晋太郎元外相をふくめた「家系図」を掲載したところ、「女性の存在が消されている」「血筋しかアピールできることがないのか」などと炎上につながった。
結果として、信千世氏は6万1369票(得票率52.5%)を集め、平岡秀夫元法相(5万5601票、47.5%)を下したが、まだ盤石な地盤とは言えない状況だ。
そこにプラスオンする「危機管理のマズさ」
翔太郎氏の場合は、昨年10月の首相秘書官就任以降、今回だけでなくスキャンダルが明かされていた。真偽は不明ながら、テレビ局の記者に情報をリークしていたのでは、との疑惑を、12月に月刊誌「FACTA(ファクタ)」が報道。1月には週刊新潮(デイリー新潮)が、首相の欧米歴訪に同行していた翔太郎氏が、公用車でパリやロンドンを観光し、お土産を購入していたと伝えた。
そこへきて、今回の文春報道となれば、首相秘書官としての適性を問う論調が出てもおかしくはない。そうした未来を予見できなかった意味で、今回の流出は完全なる失策と言えるだろう。
人気YouTuberのHIKAKIN(ヒカキン)さんは、かつてインターネットにおける「炎上回避法7箇条」のなかで、「LINEやDM(ダイレクトメッセージ)はすべて流出すると思うこと」「つねに最悪な事態を想定する」(2022年5月20日投稿の動画より)といった項目を挙げていた。政界と芸能界で状況は異なるものの、「もしも」に対しての備えには、通底するところがあるだろう。
トップシークレットを扱う要職を担う人物が、その責任を問われている「大ハシャギ写真」。そもそも「この様子をスマホで撮ったら、もし流出したときに、どんな印象を与えるんだろう」などと、参加者それぞれが思いをめぐらせていれば、避けられた事案なのではないだろうか。
サイバー攻撃の脅威が伝えられるなか、デジタル面における危機管理意識の重要性は、日に日に高まっている。「たかが忘年会の写真で」と言ったとて、国際社会における「外交の岸田」の顔に泥を塗りかねないと考えると、著名人の不倫LINEとはワケが違う。
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