アマゾンがあえて「2つの価格」を表示する深い意図 「払うことの痛み」をうまく薄れさせる戦略?
アマゾン、グーグル、アップル、ネットフリックス……。今、これらの世界トップ企業がこぞってビジネスに取り入れている「学問」があるのをご存じでしょうか。それが「行動経済学」です。
たとえば、アマゾンは商品価格をあえて「取り消し線の定価」「割引価格」の2つで表示しています。これは、行動経済学の「アンカリング効果」という理論をうまく駆使して、読者の購買意欲をそそっているのです。
「行動経済学」博士 兼 アメリカ・行動経済学コンサルタントの相良 奈美香氏は言います。同氏の新刊『行動経済学が最強の学問である』から一部抜粋、編集してお届けします。
アマゾンはこうして消費者の購買意欲をそそっている
突然ですが、皆さんは「行動経済学」という学問に対して、どんなイメージを持っているでしょうか。
「経済学のいち分野?」
「マイナーな印象」
「自分には関係なさそう」
そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、実は今、世界の名だたる企業がこぞって行動経済学を取り入れ始めています。なぜなら、ビジネスの中心は「人の行動を変えること」であり、行動経済学とはまさに「人の行動を変える理論の集まり」の学問だからです。
例えば、アマゾンなどのネットショッピングは「カード決済」を主要な支払方法としていますが、これは行動経済学でいう「キャッシュレス効果」という理論を駆使しています。
行動経済学では、キャッシュレスの人のほうがお金を使いすぎてしまうことがわかっています。このことを「キャッシュレス効果」と言います。
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