名だたる企業が「アンケート調査」に大失敗する訳 あのマクドナルドでも苦戦してきた

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しかし実際の購入は、非合理な意思決定を基になされ、気分、一番手に取りやすいところに商品が並べてあったという偶然、時間帯の影響など、さまざまな無意識の要素が働いています。

こういったことから、会議室の議論でもアンケートでも、行動経済学を考慮したほうが消費者心理をより深く理解できます。なぜなら、行動経済学はまさに人間(消費者)の無意識の意思決定(購買理由)を科学する学問だからです。

エグゼクティブがリサーチ結果を見て、「アンケートによれば80%の人が健康にいいメニューを選ぶと回答しているのに、なぜサラダが売れない? なぜケーキのほうが売上が高いのか?」と首を傾げますが、これは当然と言えば当然のこと。人間の心理や行動は非合理なのですから。

人間理解には考察よりも観察せよ

こういったことから、消費者や従業員など対象となる人間を理解しようと思ったら「考察」には限界があります。それよりも、「観察」をすることが大事です。はたからこっそりと見て、人が無意識にどんな行動をしているかを知るのです。

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そんな「観察」をする方法として、私がクライアントに勧めているマーケティングリサーチ手法に「エスノグラフィー」があります。

エスノグラフィーとは民族学で行われているフィールドワーク調査で、普通の人の生活に密着し、日々の習慣、儀式、食事、言語、余暇の過ごし方など、ありのままを観察して行動様式や文化を知る調査方法を指します。相手をただ観察することで、より本質に近い理解が可能とされ、ビジネスシーンでも取り入れられています。

顧客すべてにエスノグラフィーを用いるのは無理がありますが、主力商品の開発であれば、ターゲットになりそうな人たちに生活状態をビデオ撮影してもらう手法もあります。

定量調査は、一度に大量のデータが収集でき、行動履歴などシステム2で答えやすい質問には適切ですが、認知のクセを理解し、それを有効活用するマーケティングがしたいのであれば、「定性調査(インタビュー)とエスノグラフィー」の2つを用いて総合的に判断するのがベストですが、現実には「そこまでリソースを割くのは難しい」という企業がほとんどです。

それなら、どちらが良いということではなく、「何が知りたいか」に合わせて使い分けていくといいでしょう。

相良 奈美香 行動経済学コンサルタント / 行動経済学博士

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さがら なみか / Namika Sagara

10カ国以上にわたる国際的な行動経済学コンサルティングを展開する傍ら、日本でも執筆やメディア活動を通して行動経済学を広める活動をしている。

代表作『行動経済学が最強の学問である』(SBクリエイティブ)は18万部を超えるベストセラーとなり、日本における行動経済学の認知度を広げる大きなきっかけとなった

現在は「アフェクトの力で人々の生活をより豊かに、幸せにしたい」という信念のもと活動。

日常の中にすぐ取り入れられるアフェクト・マネジメント法を多くの人へ届けている。 

【公開中】オンライン講座「アフェクト入門講座」https://online.namikasagara.jp/affect-course/ 

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