日本でいちばん「幸せ」なのはどんな人たちなのか 1万人に聞いてわかった日本人の意外なリアル
景気の先行きも心配だし、マスク生活やレジャー自粛も息が詰まる。でも「幸せ」か、と聞かれれば悪くない毎日かも――。野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」では、1997年から3年ごとに日本の消費者のトレンドを追いかけているが、直近の調査では、景況感が悲観に振れたにもかかわらず、「幸福度」や「生活満足度」は伸びている。
時系列の大規模アンケート調査をベースにまとめた『日本の消費者はどう変わったか』を上梓した著者が、コロナ禍の中でもしなやかに順応しながら、穏やかで控えめな「幸せ」を見つけている、現代日本の消費者の意識・行動や、今求められるマーケティングの方向性を解説する。
コロナ禍でも「じわり」と増える幸せ実感
2021年は、ほぼ一年中を、「緊急事態宣言」や「まん防」の中で過ごした年だった。年明けすぐからの第4波と夏の第5波、延期されていた東京オリンピックも無観客開催となった。
外食も旅行も自粛自粛、そんな中で実施された生活者1万人アンケート調査では、健康不安の拡大や景況感の悲観、レジャー自粛のさまがはっきりと見られた。オンライン活動の伸びを除き、全体的に抑圧感のある数字が並ぶ。
しかしその一方で、「幸福度」と「生活満足度」は上昇する結果となった。「あなたは普段どの程度幸福だと感じていますか」について「非常に幸福」を10点、「非常に不幸」を0点として聞いたときに、15~69歳日本人の平均点は、前回2018年の6.84点から今回2021年は6.97点へと上昇している。
また、「あなたは現在の生活にどの程度満足していますか」についても、「満足している」計は77.2%から78.8%へと同じくわずかに上昇していた。日本人の幸せ実感は、「じわり」と増えているのだ。
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