ダイソン、「家族経営だからできる」2代目の挑戦 創業者の息子が語った「ヘッドホン」開発の内幕
気流によるゴミ分離の研究から発展し、株式非公開のまま成長を続けてきた家電大手、ダイソン。創業者であるジェームズ・ダイソン氏が、息子のジェイク・ダイソン氏とともに来日し、5月23日に都内で新製品の発表イベントを開催した。
特別なカラーのヘアケア製品、まったく新しい設計となったロボット掃除機、ノイズキャンセリングヘッドホンの3つがお披露目された。中でも新規参入となるのが、空気清浄機能を備えたヘッドホンの「Dyson Zone」だ。
空気清浄機とオーディオ製品の融合――。それだけを聞けば、奇妙に感じるだろう。しかしその誕生経緯は、実に興味深いものだ。
ダイソンの根底にある日本へのリスペクト
ダイソンは現在も、ジェームズとジェイクの2人がチーフエンジニアとして率いる、家族経営のエンジニアリングカンパニーである。
とりわけ昨今、その数が増えているコネクテッド(ネットに接続することで付加価値を高める)技術を応用した製品ジャンルの基本コンセプトやビジョンを、息子のジェイクがリード。ダイソンの未来に向けた開発を主導している。
Dyson Zoneの開発も指揮したジェイクが見据える、”次世代のダイソン”はいかなるものなのか。
世界初のサイクロン掃除機を日本の商社・エイペックスを通じて、シルバー精工にライセンス。そのライセンス料金を元手にダイソンは起業された。
「製品への深い理解と品質へのこだわりを持つ日本の消費者の要求に応えるために技術開発することは、世界中の消費者にとっても大きな価値がある」。ジェームズは現在もこのように語り、節目となる新製品を発売するたびに日本でイベントを開催してきた。
今や基幹事業の1つとなったヘアケア製品も、最初にお披露目されたのは日本。ジェームズ本人によるプレゼンテーションだった。
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