ダイソン、「家族経営だからできる」2代目の挑戦 創業者の息子が語った「ヘッドホン」開発の内幕
ジェームズの最初の日本との関わり、すなわちシルバー精工からサイクロン掃除機「G-Force」が発売されたとき、息子のジェイクは14歳。留守がちだった父は、日本で入手したさまざまな製品を土産に持ち帰った。
「銀座・伊東屋の文房具、ソニーのウォークマン、ニコンのカメラなどを通じて日本の製品、日本のデザインを知った」(ジェイク)
ジェイクが大学で工業デザインを学び、その後、ジェームズとともにダイソンのチーフエンジニアとなる道を歩んだ原点は、父と日本へのリスペクトである。
「世界中の博物館に、日本でデザインされた製品が所蔵され、大きな影響を与えてきた。現在も日本からは新しい工業デザインが生まれ、多くの人がインスパイアされている」(ジェイク)
研究開発をベースに事業を開拓
そんなジェイクに、次世代のダイソンはどのような会社になっていくのかと問うと次のように話し始めた。
「ダイソンの持つ技術はすべて研究開発が基礎になっている。商品のために技術を生み出すのではなく、まずは実験から始まる。各種センサーの開発、デジタルモーター、固体バッテリー。どれも実験しながら学び、そこから製品や具体的な機能につながるアイデアを生み出してきた」
同社はサイクロン掃除機で用いたサイクロン分離の原理を研究する中で、気流を制御する技術を社内に蓄積。効率よく力強い気流をコンパクトな装置で生み出すため、デジタルモーターを研究し、次の製品に応用した。
気流制御とデジタルモーターの技術をかけ合わせて生み出されたのが、羽根のない扇風機だ。そこにサイクロン掃除機で必要とされたフィルターの性能、機能を高める研究を組み合わせることで、空気清浄機が誕生した。
ヘアドライヤーの発売に際しても、ダイソンは3〜4年の期間を研究開発に充てている。髪を痛めない条件や、つやを出す方法について実験を重ね、そのうえで製品の開発に着手するプロセスを経たという。
研究開発を通じて深い知見を得た要素技術をベースに製品を開発し、その製品の開発で必要とされる技術をさらに研究、製品に応用する過程でまた新たな着想を得る。こうした製品開発へのアプローチは今後も変わらないとジェイクは話す。そしてDyson Zoneを開発するきっかけも、同様のプロセスから生まれたのだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら