(第63回)2012年度新卒採用動向調査【前半戦】 企業の動向編3

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●半数の企業がグローバル採用を実施。特に中国語人材が評価される

図表3:外国人/留学生の採用状況

 採用課題にグローバル採用を掲げる企業は大幅に増え、大きな流れになってきた。この1年間でグローバル人材の論議も深まり、社内公用語を英語にするという企業が増えてきた。否定的な意見もあったが、公用語化した企業を調べると、社員の評判もよさそうだ。
 これまでの「グローバル人材」は英語でビジネス会話ができるというニュアンスが強かったが、中国語の重要性が急激に高まったことも大きな変化だ。コマツは昨年入社の新入社員研修を上海で行った。
 今回の調査では半数(52%)が「外国人/留学生の採用予定はない」と回答したが、半数近くは採用予定か検討中だ。

図表4:外国人/留学生の採用対象

 外国人/留学生の採用対象を見た場合、「海外の大学にいる日本人留学生」が対象に入っているのは当然として、注目したいのは「日本の大学にいる外国人留学生」が最多の35.0%である点だ。日本の大学に留学している学生は中国人が圧倒的に多い。
 「現地の大学にいる外国人学生」はどこの国かが気になる。今回は国別の調査をしていないが、中国の大学からの採用が増えているようだ。
 規模別では「5001名以上」の70%が採用予定であり、特に「海外の大学にいる日本人留学生の採用」意向が強い。「日本の大学にいる外国人留学生採用」意欲は全般的に高いが、特に「1001~5000名」が目立つ。

図表5:外国人の採用方法

 外国人採用、日本人留学生採用の手法は確立していない。欧米(特にアメリカのボストン)で実施されるキャリアフォーラムがあるが、中国人などの東南アジア系人材の採用は経験が浅く、各社各様に取り組んでいる。最も多いのは「採用HPで外国人採用を募集」(20.0%)だが、口コミで広まるのでかなり有効だろう。
 「日本の大学にいる外国人留学生向けセミナーに参加」(13.8%)、「エージェント経由での紹介」(8.5%)、「エージェントが開催するセミナーに参加」(10.1%)はまだ低い数字だが、これから多数の留学生を受け入れてくる大学としては力を入れざるをえないし、エージェントにとっても新市場なので増えてくるはずだ。

 かなりのスピードで日本企業のグローバル化が進むと思われる。しかし新卒市場に向上心を持つ外国人留学生が登場することは、新卒日本人学生のパイが奪われることになる。「卒業後3年は新卒扱い」を受け入れる企業が多くなり、12年卒採用では、就職できなかった10年卒、11年卒生がチャレンジしてくるだろう。日本の新卒学生には、今まで以上に厳しい競争が待ち受けている。

HRプロ株式会社(旧社名:採用プロドットコム)
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
採用担当者、教育・研修担当者をはじめとしたHR担当者のための専門サイト「HRプロ」シリーズを運営。新卒/中途採用、教育・研修、労務、人事戦略などの業務に役立つニュース、ノウハウ、サービス情報、セミナー情報を提供している。HR担当者向けのセミナーも東京・大阪で開催している。

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