6月に「11回のXデー」米国の債務不履行で起こる事 刻々と近づく恐怖の未体験ゾーン
アメリカの債務が上限に達したため、財務省は現金支出を削る方法を模索している。しかし、方策が尽きれば、かつて想像もできなかったことが現実になるかもしれない。アメリカがデフォルト(債務不履行)に陥るのだ。
そうしたら何が起こるのだろう?
金融市場を襲う衝撃波、倒産、景気後退から世界経済の中心でアメリカが長年果たしてきた役割が被るであろう不可逆的なダメージに至るまで、影響は広範囲に及ぶ。その影響を完全に予測することは難しい。
金融市場の支柱が崩れる
デフォルトが起こる可能性は今のところまだ低い。しかし、アメリカの支払いに必要な現金が底をつき始める日(早ければ6月1日)が近づく中、世界中の投資家、経営幹部、エコノミストたちは、その直前、最中、その後に起こりうることをあらゆる方向から検討し、密かに緊急時対応計画を立て、ほとんど検証されていないルールや手続きについてあれこれ頭を悩ませている。
国債市場を含め、広範な金融資産を追跡する指標の作成にあたるMSCIのポートフォリオ・マネジメント・リサーチ責任者アンディ・スパークス氏は「私たちは未知の海域に入りつつある」と述べた。
金融市場の一部ではすでに動揺が始まっているが、そのさざ波は、デフォルトが近づくにつれて生まれる高波に比べれば、ごく小さなものだ。24兆ドルの規模を持つアメリカ国債市場は、政府の主要な資金調達源であると同時に、世界最大の債券市場でもある。