日本人の「給料安すぎ問題」超シンプルな根本原因 すべては「30年間の労働生産性の停滞」に帰結
先ほど「韓国が日本を追い抜いていった」とお伝えしました。具体的なデータをご紹介すると、1990年の韓国の平均給料は日本の61.3%でしかありませんでしたが、2015年に韓国の実質平均給料は日本を追い抜き、今では日本の1.09倍まで拡大しています。
先ほど旧共産圏の国の1つとして紹介したポーランドも、1995年の平均給料は日本の45.7%でしかなかったのですが、2021年にはすでに84.5%まで上昇しています。今のままでは、日本の賃金は2029年にポーランドに抜かれます。
日本の給料が伸びない原因は労働生産性にある
なぜ、日本は平均給料で他国から差をつけられたり、ずっと下の順位にいた国々に抜かれることになってしまったのでしょうか。
給料とは創出された付加価値が労働者に分配され、支払われるものです。
付加価値とは売上から仕入金を引いたものを指し、その付加価値から給料、税金、利息、配当、設備投資の費用が支払われ、残ったお金が内部留保金としてプールされます。
一般的に一番大きな支払いを占めるのは給料、すなわち人件費です。2019年のデータでは、先進国の平均労働分配率は56.8%で、日本は56.1%でした。
給料は、労働生産性と労働分配率で決まります。日本の労働分配率は先進国平均とほぼ同じ水準ですので、日本の給料の順位がガタ下がりしてしまったのは、日本の労働生産性が他国より劣っていることに原因がありそうだという予測が成り立ちます。
実際データを見てみると、日本の2021年の労働生産性は世界36位と驚くべき順位です。なんと、スペイン、スロベニア、チェコ、リトアニア、ギリシャより下なのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら