小野寺元防衛相、G7広島サミットは「歴史的」 橋下氏は「核抑止力が必要とはっきりした」

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松山キャスター:今回のサミットの一つの大きなテーマとして岸田首相は「核のない世界」を目指すということを主張している。G7首脳が初めて広島に集まり原爆資料館を見学し、慰霊碑に献花を行った。歴史的な出来事だ。核に対してG7首脳の今後取り組みは変わっていくと思うか。 

小野寺氏:G7の国で自国に核をおいてないのは日本とカナダぐらいだ。ほかの国は自国で保有するか、米国の核を置いてもらっている。現実的にはどの国も核を意識しながら抑止力を上げている。私ども安全保障を専門とする立場からすると、核は絶対使ってはいけない。核という兵器を開発した人を忌まわしくさえ思う。地球を何十回も破壊するほどの力がある。

核などないほうがいい。でも、ないほうがいいといってもなくならないとすれば、日本が次にできる選択肢は二度と核を使わせないこと。もっと強く言えば、絶対に二度と日本に核を使わせない、落とさせないこと。そのためのことをやっていくことが最大の仕事だ。今は抑止力を上げるために米国の核の傘をしっかり見える形でやっていく。ただ、将来的にはこんな兵器あってはいけない。人類がいなくなってしまうような兵器だ。岸田首相としては、それを長期的な視点で、現実問題として、G7各国に見てもらう。これを世界に発信する。それも今回のサミットのもう一つの大きな意義だ。

「旧広島陸軍被服支廠」保存の動き

梅津キャスター:この旧陸軍被服支廠は現存する4棟のうち3棟を広島県が所有しているが、その一部が解体されるかもしれない岐路に立っている。3年前の調査で震度6強でも倒壊しないことが確認されたが、建物を保存するためには、レンガの壁などの安全対策が必要であることも判明した。問題になるのが1棟あたり5億8000万円という費用。広島県では重要文化財を目指す調査や活用法についても広く意見を求めていて、建物の保存と安全対策の実施を検討している。

松山キャスター:戦争の悲惨さ、原爆の被害を伝える建物であると同時に、当時日本軍が遂行していた戦争の拠点ともなっていた施設で複雑な背景を持っている建物だが、こうした戦争の遺産をどう残していくか。保存が自治体に委ねられている現状がある。

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