鉄道乗り継ぎより安い・早い「使えるバス路線」 「近くて遠い」駅や繁華街をダイレクトに結ぶ

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宝塚駅と有馬温泉駅をダイレクトに

観光で宝塚や有馬温泉を訪れる方は多いのではないだろうか。この両方を楽しむのにもってこいなのが阪急バス45系統である。鉄道だと福知山線・神戸電鉄利用で所要時間は50分、運賃は840円と意外とかかり、乗り換えも2回ある。

一方、阪急バスのほうは乗り換えなしで54分、580円と3分の2で済み、アドバンテージは高い。ただ、本数は鉄道が毎時4本なのに対して毎時1本なので、その点をどう考えるかだ。

【宝塚から有馬温泉まで】
鉄道:50分840円・毎時4本(福知山線・神戸電鉄利用・乗り換え2回)
バス:54分580円・毎時1本

バスの利便性は「案内」がカギだ

長岡京駅から京都競馬場へ

京阪は地元では「振り替え輸送が使いづらい路線」だと聞く。京都―大阪間は京阪・阪急・JRと3社が競合する区間ではあるものの、京阪は淀川の左岸、JRと阪急は右岸を通っており、橋が少なく鉄道による連絡もないからである。阪急と京阪は大阪モノレールで乗り継げるが、JR京都線と京阪の乗り継ぎは面倒だ。たとえばJR京都線沿線から淀の競馬場へ鉄道だけで行こうものなら、淀の目と鼻の先にある長岡京駅からでも京都経由でルートによって最速で41分、最安でも520円かかる。

この区間を結んでいるのが京都京阪バス・阪急バス90系統である。長岡京駅から競馬新聞を片手に赤鉛筆を耳に挟んで乗り込めば、あっという間の25分で京都競馬場だ。運賃も230円と3分の1〜半分以下だ。

【長岡京から淀まで】
鉄道:41分690円・毎時4本(JR京都線・近鉄京都線・京阪本線利用・乗り換え2回)
鉄道:56分520円・毎時4本(JR京都線・JR奈良線・京阪本線利用・乗り換え2回)
バス:25分230円・毎時1本

バスを利用するときにおっくうなのは、鉄道同士の乗り継ぎ利用のようなわかりやすい乗り場案内が駅構内にないことが多い点だ。パッと正しい乗り場にたどり着いて目的のバスに乗れるかどうかは、筆者も不安になる。これからは出発地から目的地まで複数の事業者・交通モードを介しても1つのサービスとして捉えるMaaSの時代。モバイル上の案内だけでなく、現場での案内の仕方がバス活用のカギを握っているのではないか。

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北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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