便利になる?JR東日本、Suica「見えない大変化」 運賃計算クラウド化、割引クーポンなど可能に

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高輪ゲートウェイ 自動改札機
高輪ゲートウェイ駅の自動改札機(撮影:尾形文繁)

都市部で鉄道を利用する多くの人々が「紙のきっぷ」を使わなくなってから、長い年月が経った。JR東日本がICカード「Suica」を導入したのは2001年11月。その後、東京圏では私鉄各社の「PASMO」導入に合わせて2007年3月にICカード相互利用が始まった。2013年3月には交通系ICカード全国相互利用サービスが開始され、大都市圏ではICカードのみの自動改札機も増えた。

交通系ICカードがこれだけ普及したのは、先陣を切って導入し、鉄道以外での利用についても積極的に取り組むなど利用範囲の拡大を図ってきたJR東日本のSuicaの存在が大きい。そのSuicaが、2023年度から新しい改札システムを導入する。利用方法は変わらないが、運賃計算などの処理システムが大きく変化する。

今までは「改札機で運賃計算」

これまで、Suicaの運賃計算は自動改札機内で処理する方式だった。乗車駅ではどの駅から入場したかの情報をカードに書き込み、下車駅では乗った駅を参照して改札機内で運賃を計算し、計算した額を引き去るという仕組みだ。導入当初は利用可能な駅が今ほど多くなかったこと、さらに通信回線のスピードもまだ遅かったことから、この形となった。

だが、改札機で計算処理するこのシステムを更新するには費用も手間もかかる。とくに営業エリアの広いJR東日本で、これ以上Suicaの利用エリアを拡大し、将来は同社の全駅で使えるようにするとなると、現在のシステムでは相当な手間とコスト、準備が必要になる。

また、現在は複雑な計算が必要な「エリアまたぎ」の乗車はできない。例えば首都圏エリアと仙台エリアは常磐線を介してほぼ接しているような状況だが、両エリアをまたいでの利用は不可能だ。

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