「産後ケアホテル」を立ち上げた女性が描く未来 自分だからこそやるべき「仕事」を見つけたい
皆が当たり前に使える産後ケア施設が必要なのに、日本にはそれがあまりにも少なすぎる──。
台湾や韓国、中国の現状との「産後ケア格差」をまざまざと感じて課題意識がクリアになりましたし、この事業を何とかやり遂げたい気持ちがますます強くなっていきました。
「産後がこんなに楽しいなんて」ゲストの変化が原動力
『マームガーデン葉山』の立ち上げにあたって私が一番こだわりを込めたポイントは、出産後のお母さんたちがリゾートホテルにいるようにくつろげる場所をつくること。
産後ケア施設だからといって、医療機関で過ごしているような気持ちではなくて、しっかりリラックスして心と体の回復に務めてほしい。
そういう願いを込めて、施設のコンセプトを決めました。
また、これまで保育園の立ち上げに携わったことはありますが、産後ケア施設の立ち上げは社内に前例がないばかりか、日本国内にもモデルケースがほぼない状況。
手探りの連続でそれはもう大変でしたね。
特に、ホテルオープン直前の2~3カ月の間は忙しすぎて記憶がほぼありません(笑)。それくらい、怒涛の日々でした。
最も大変だったのは、スタッフ間で施設のコンセプトやミッションを浸透させ、認識をそろえること。
産後のお母さんたちは「お客さま」であり、われわれが最大限のおもてなしをすべきゲスト。
譲れないこだわりを何度も何度もスタッフに伝え、みんなでここをどういうホテルにしたいか話し合い、研修やシミュレーションを重ね、根気強く目線合わせを行っていきました。
それから約1年半。2021年12月の施設オープン以降、約1500組の方にご利用いただき、予想以上の反響に驚いています。
お客さまからは、うれしいお声もたくさんいただいていて、私の原動力にもなっていますね。