「30歳から3浪東大」専門卒の彼を動かした出会い 1日3時間の勉強を3年間続けた彼の驚く勉強法

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「家に帰ったらゲームと漫画、野球などをしていて勉強をした記憶はありません。授業の合間の休憩などで教科書の先取りをしていたから、まあまあ成績がよかったのだと思います」

高校受験も塾に通わずに1日2~3時間の勉強で、地元でいちばんの進学校、米子東高校に進学しました。

「米子東高校は東大生が出る環境でした。ただ、私は県でいちばん吹奏楽の盛んな環境に行きたくて進学したので、入学初日の実力テストで1学年360人のうち343位だったのですが、まったく気にすることはありませんでした」

高校に入って初めて、「授業を聞いてもわからない」という経験をした青戸さんは、勉強のことは考えず、ひたすら吹奏楽に打ち込みます。定期考査も100点満点で10点未満といった低い得点を頻繁に取り、ずっと下位10%の成績だったそうです。

そんな学生生活を送る中、受験学年を控えた高校2年生の2月に飲酒習慣によるがんで入退院を繰り返していた父親が他界します。

「母子家庭になる前から父親が長くないことを想定していました。収入が限られていたので、学びたいことがない自分が大学に行くよりも妹に行ってもらったほうがいいなと思い、新聞奨学生制度を使ってゲームクリエイターを目指す専門学校に入りました」

周りへの劣等感が大きかった

こうして専門学校に入学した青戸さん。朝3時に起きて22時に就寝するハードな生活を続けたものの、2年目にはもう勉強内容に興味がなくなってしまったようです。

「大学へ行った周囲への劣等感がすごくて、人生に悩んでいました。だから、海外で好きな野球に関わる仕事をするために英語力を鍛えようと思って、3年間お金を貯めて23歳でオーストラリアに行きました」

ワーキングホリデーを使ってオーストラリアの語学学校に入学した彼は、レストランバーでウェイターをしながら実用的な英語を磨き、現地の出版社に就職します。

「ビザが切れて帰国した友人の代わりに営業として就職させてもらいました。法人で広告を取る仕事を3カ月だけしたのですが、朝から晩まで電話と商談をしていたのでここで英語力がジャンプアップしましたね」

しかし、青戸さんのビザも1年で切れたために実家に帰って仕事をする決意をします。帰国後すぐに受けたTOEICは805点と素晴らしい結果を残しました。

ところが、その後青戸さんは病に苦しみ、1年間家に引きこもります。

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