「30歳から3浪東大」専門卒の彼を動かした出会い 1日3時間の勉強を3年間続けた彼の驚く勉強法

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「1浪目のペースで勉強したら余裕で受かると油断してしまったんです。東京に来て普通にやるのはつまらなかったので、結婚式場の会場の新郎新婦役のモデルを始めたんです。だから勉強時間も3時間から2時間くらいに減ってしまって……。模試の判定は50くらいに上がってセンター試験も760/900点取れたのですが、またしても合格最低点から9点足りずに僅差で落ちてしまったんです」

こうして、絶望の3浪目に突入することになります。

2浪目で勉強時間が取れずに落ちてしまった青戸さん。落ちた理由を「油断」と振り返ります。

「モデルの仕事をしていたこともそうですが、最低合格点を取るための努力しかしてなかったのです。苦手だった数学は、0点だったときを想定して、シミュレーションもしていました。その結果、本番(2次学力試験)は27点で去年から7点しか伸びていません。きちんと伸ばすことを考えないとダメだったのです」

なぜ勉強時間が少ないのか

しかし、そもそもの勉強時間が少なすぎるという疑問も生じたため、どうしてその時間を増やそうとしなかったのかも掘り下げてみたところ、彼の勉強のやり方に関係があったそうです。

「私はつねに勉強しながら教えるということを意識して勉強していました。今、『自分が勉強した内容を自分の教え子に授業するとしたら、どうやったら伝わるかな?』とずっと考えていたのです。だからこそ、効率よく定着したのですが、インプットとアウトプットを同時にやるので、とにかく疲れるのです。

試しに1日10時間勉強したら、次の日からしばらく参考書を開く気力が起きませんでした。だから3浪目は、2浪目までの失敗を生かして、『自分は3〜4時間しか勉強できないから限られた時間に集中しよう』と思い、そのスタイルを確立して頑張りました」

「浪人で自分のやり方に気づけた」という青戸さんは、3浪目にはモデルのアルバイトを辞め、講師を続けながらも集中して1日3時間の勉強をこなしました。

模試は受けず、ひたすら本番に焦点を合わせた結果、センター試験で自己最高の798/900点を叩き出し、東京大学に最低合格点から1.9点差で合格しました。

青戸さんのこれまでの試験結果(写真:青戸さん提供)
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