独占!新日鉄住金を揺さぶる男、かく語りき 対立するブラジル合弁相手のCEOが激白
テルニウムは中立な立場である新議長として、ウジミナス従業員年金基金を代表して経済学者であるフォンセカ氏の就任を提案した。同氏はテルニウムと新日鉄住金に関係がなく、一連の騒動の中で中立性と平静を保ち続けてきた。しかも、両社の間で発生している問題を解決できる人物でもあった。
しかし、新日鉄住金はフォンセカ氏の議長就任に対して拒否権を発動し、ペニード議長の続投を望んだ。大変残念な結果だ。そもそもウジミナスの歴史において、株主間協定の中から議長が選出されなかったのは初めてで、前代未聞のこと。非常に不満を持っている。
一部報道によると、新日鉄住金は取引先の物流会社の支援を得て議長の選出を進めたそうだ。今回、新議長に選ばれたガスパリーノ氏は、ブラジルメディアが報道しているように、電力会社から1500万ドル以上もの不適切な支払いに関与した疑惑が持たれている。
新日鉄住金がこうした問題を抱えている人物を推薦してきたのは失望材料だった。ガスパリーノ氏が新議長として中立な立場を維持するのは難しいと考えている。
状況は20世紀とは大きく異なっている
――昨年10月にウジミナスの普通株を買い増しているが、狙いは何か。また、臨時株主総会で、その株を外部に貸し出し、迂回投票をしようとしているという報道もあった。
ブラジル銀行年金基金が保有していたウジミナスの普通株式(発行済み株式の8%)を取得した。これはウジミナスとブラジル全体に対するテルニウム・グループの責任感の表明であり、今後の可能性に対するコミットメントを強化するものだ。株主総会で他者に株式を貸し出そうとした事実はない。
――今後の可能性とは、具体的にどのようなことを考えているのか。
現在の鉄鋼業界は複雑な問題に直面している。生産設備の余剰、中国の消費の減速、原油価格の下落だ。生き残るためには、企業としての競争力と生産性を向上させていくしかない。こうした状況は、旧新日鉄とウジミナスが関係を築いてきた20世紀とは大きく異なっている。
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