新日鉄住金「ブラジル合弁内紛劇」の行方 ことごとく食い違う合弁相手の証言内容
ブラジルの鉄鋼大手・ウジミナスの経営権をめぐる対立がピークを迎えている。ウジミナスは現地時間の4月6日に臨時株主総会を開き、新たな経営審議会メンバーを決定する。この人選をめぐって、同社に共同出資する新日鉄住金とアルゼンチンの鉄鋼大手・テルニウムが火花を散らしているのだ。
事の発端は、昨年9月25日にウジミナスのCEO(最高経営責任者)であるフリアン・エグレン氏を含めた3人の役員を解任したことにさかのぼる。
議長の賛成でCEOは解任に
経営審議会で「不正な役員報酬の受領があった」として、新日鉄住金側3人、両社とは関係のない役員2人が解任に賛成、テルニウム側3人とウジミナス従業員年金基金側の2人が反対票を投じ、5対5で票が割れた。その際、議長が賛成票を投じ、解任の運びとなった。
今回の件に関しては、新日鉄住金とテルニウムの見解の相違が大きい。現在に至るまで、新日鉄住金は「不正な役員報酬は内部と外部の監査で確認されている。コンプライアンス上の違反があったのだから、解任決議は法令・定款・協定に基づいた適法かつ有効なもの」と説明する。
一方、テルニウム側は「役員報酬は認可されている事項だ」と反発。解任直後に3役員の解任決議の無効を求めて、現地の裁判所に仮処分申請を訴えた(のちに棄却)。
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