日韓鉄鋼バトル、5期ぶりに利益額が逆転 急回復の新日鉄住金、減速続く韓国ポスコ

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新日鉄住金の中核拠点である君津製鉄所の高炉

悲願だった総合力ナンバーワン(生産量や売上高以外の技術や品質力、利益率で世界首位)にまた一歩近づいた。

新日鉄住金が1月30日に2013年度第3四半期(2013年4~12月)決算を発表した。売上高は4兆0374億円(前年同期比31.4%増)、本業の儲けを示す営業利益2216億円(前年同期は59億円の営業損失)と急回復した。

通期の見通しについては昨年10月に公表した売上高5兆4500億円、経常利益3400億円を据え置いた。1月中旬に名古屋製鉄所で2度の停電があり、生産がストップした影響については、最終的に10万トン程度の出荷減となるもよう。業績への影響は「設備の修繕、出荷の遅れ、復旧で最大100億円程度のコストアップ要因になる」(太田克彦副社長)という。

一方、ライバルである韓国ポスコが1月28日に発表した2013年度(2013年1~12月)決算は、売上高61兆8650億ウォン(約5兆8400億円)、営業利益2兆9960億ウォン(約2830億円)。前期比で売上高が2.7%減、営業利益が18%減と、2期連続の減収減益だった。

純利益は、新日鉄住金が第3四半期段階で1927億円なのに対し、ポスコが通期で1兆3550億ウォン(約1280億円)と、3カ月を残して新日鉄住金が上回った。新日鉄住金(2012年度以前は旧新日本製鉄と旧住友金属工業の単純合算値)がポスコを上回るのは、純利益の絶対額では2008年度以来、5期ぶり。少なくともこの10年間は、純利益率でもポスコを下回る状況が続いていた。

需要拡大とコスト改善

新日鉄住金の収益が急激に改善した要因は2つある。まず、円高の是正や景況感の好転により、国内の鉄鋼需要が拡大した。2013年度の国内粗鋼生産量は1億1200万トン程度と、リーマンショック前の水準に迫る見込みだ。

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