独占!新日鉄住金を揺さぶる男、かく語りき 対立するブラジル合弁相手のCEOが激白
テルニウムは2012年にウジミナス株を保有していたブラジルのセメント大手ボトランチンと建設会社のカマルゴコレアから約22億ドルで購入し、株主間協定のメンバーとなった。新日鉄住金の技術や品質の高さ、テルニウムの強固な経営体制という両社の長所を生かした共同運営に乗り出すことで、経営・製造体制を強化することを狙っていた。
われわれはウジミナスの経営陣に最高の人材を派遣してきた。当初2年間はうまくいっており、株主やアナリスト、金融機関から高い評価を得ていた。
新日鉄住金の行動は株主間協定に反する
――昨年9月の役員解任で、新日鉄住金と最も意見が食い違うのはどのような点か。
最近になって新日鉄住金がウジミナスの経営を独占的に支配するかのような行動を起こしてきている。新日鉄住金とパウロ・ペニード前議長は昨年秋に(テルニウム出身の)執行役員3人が不正な役員報酬を受け取っているとして、解任に踏み切った。
60年近くの協力関係があるにもかかわらず、新日鉄住金がこうした行動に走るのは驚くべきことだった。さらに、新日鉄住金がペニード前議長に対して、本来の報酬とは別にコンサルタント料として年間160万ドル相当の報酬を支払っていたこともわかった。
テルニウムの見解としては、新日鉄住金とペニード議長が取った行動は法律に違反しているだけでなく、株主間協定にも反している。
――4月6日の臨時株主総会では、新日鉄住金が推すペニード前議長でも、テルニウムが推す経済学者のフォンセカ氏でもなく、一般株主の代表者から弁護士のガスパリーノ氏が就任した。背景には、どのようなやり取りがあったのか。
われわれは総会の前に、株主間協定のメンバー(新日鉄住金など日系グループ、テルニウム・グループ、ウジミナス従業員年金基金の3者)が受諾できる新議長の提案を含めて、万全の努力を払ってきた。
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