世界進出を果たした新人映画監督の「飛び込み力」 ビジネス書超えた「サードドア」に学ぶコミュ力

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ドキュメンタリー映画『世界で戦うフィルムたち』と『サードドア』の共通点とは?(撮影:AI TERADA)
特別なものは何も持っていない18歳の大学生が、レディー・ガガやスピルバーグ、クインシー・ジョーンズ、ビル・ゲイツといった著名人に会いにいき、「あなたはどうやってキャリアの一歩を踏み出したのか」とインタビューする過程をまとめた書籍『サードドア:精神的資産のふやし方』。
日本でも翻訳出版されベストセラーとなった同書を読み、著者のアレックス・バナヤンは「私と同じことをやっているな」と感じたという映画監督の亀山睦木(亀山睦実)氏に、本書の魅力と、映画制作にかける思いを聞いた。

『サードドア』には、主人公のアレックスが失敗するところがたくさん書かれています。そこが面白いと思って読みました。あまりビジネス書は読みませんが、本書はビジネス書らしさがないので楽しめます。

ドキュメンタリー映画の構成も、本書に近いかもしれません。

失敗がエンターテインメントになる

今作『世界で戦うフィルムたち』の中では、私自身の数々の失敗が映されています。

『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督から「大のオトナが堂々と空振りしてるところを見るのは面白い」という感想をいただきました。

話題のベストセラー『サードドア:精神的資産のふやし方』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

失敗はエンターテインメントになるというところが、『サードドア』と私の作品で共通しているかもしれません。

『世界で戦うフィルムたち』を先行上映した際、インディペンデント映画作家の方々から「私たちもどんどん海外の映画祭に応募すればいいんですね」という声が多く聞かれましたが、それだけでは失敗してしまいます。

もちろん積極的に応募するべきなのですが、やみくもにそうするのではなく「自分の作品を本当にその映画祭に出品したいのか」も深く突き詰めましょう。映画祭について、その1つひとつを調べるのは時間のかかる大変な作業ですが、大事なことと思います。

また、映画の世界には、映画祭でかかる作品の鮮度を保つためのプレミア規定があります。初上映をどこで行うか、という規定です。

最上位がワールドプレミア(世界初上映)、次がインターナショナルプレミア(制作国以外での初上映)。そして、ヨーロッパ、アメリカ、ジャパンなどのローカルと区分けされていきます。

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