「うつ病の原因は疲労」と言えるこれだけの理由 「うつかも」と思ったら心を強くする必要はない

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1段階(通常モード)は、元気な状態。例えばあるイベントで多忙な数日を過ごしても、集中力ややる気はそれほど落ちません。

疲労は感じても、この段階では、「あ〜よく働いた! 疲れたな〜」と実感できる状態です。イベントが終わり数日すれば、元の状態に戻ります。

ただ、何らかの原因で心身のエネルギーを使う場面が続くと、疲労の解消(回復)が追いつかなくなり、徐々に疲労が蓄積して、疲労の2段階(プチうつ状態)に突入していきます。

2段階に入ると、「眠れない」「食べられない」などの肉体的サインが強くなります。そのほかにも、だるさや頭痛、腰痛、肩の痛みなどさまざまな不調が出ることもあります。このサインは、注意深く観察していると見つけることができます。

ところが、精神的なサインはなかなか自覚できません。

2段階では、いつもと同じ刺激に対して2倍ショックを受け、2倍疲労(2倍モード)するのですが、感情そのものが変わるのではなく、その程度が変わるだけだからです。

例えば、上司に理不尽なことを言われてイライラしたとします。このときにイライラするのはいつもと同じです。ただ、2倍モードでは、2倍の強さのイライラが、いつもより2倍長く続くのです。そのうち周囲の人が「おかしいな」と気づくくらい、いつも何かにイライラしている状態になります。

そのほかの思考・感情の偏りも2倍になるので、少しのことで自信を失い落ち込んだり、自分を責めたり、やたら不安になったりします。ただ一方で、まだ疲労しきってはいないので取り繕うこともできてしまいます。

これを私は「表面飾り」と呼んでいます。

自信がなくなっているので、疲労感をはじめとした苦しさ、さまざまな不調や変化を自分でも否定し、周囲に見せないようにしてしまう……これが、疲労の蓄積をさらに気づきにくくしているのです。

いつもよりイライラしている、やる気が出ない、億劫な感じがずっと消えない、傷つきやすくなっている。そんなときは、2段階つまり「プチうつ状態」に陥っていると考えていいでしょう。

ストレス解消法でさらに悪化!?

プチうつ状態のうっすらとしたイライラ感や落ち込みなどが出た時点で、「私は疲れているんだな」と気づいて休めたらいいのですが、多くの人が「ストレス解消にお酒を飲もう」「気分転換に買い物をしよう」など、自分なりの対処法で何とかしようとします。

実は、これがさらに疲労を深めてしまう場合があるのです。

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