「本がすらすら読める人」が朝からやっていること 「スマホ」だけのせいにしてはいけない

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紙を読むときの目の使い方は、デジタル端末で何かを読むときとは少し違うんですね。スマホよりも目から離して見るし、自然と視点の移動も多くなる。

それに「モニターの見すぎ」を防ぐといった効果もあります。日ごろ業務でパソコンを使っている人は多いでしょうけれど、仕事もモニター、息抜きもスマホやタブレットのモニターでは、目と脳によくないかもしれません。

紙は「スクリーンタイム」を減らすのにも役立つ

近ごろは「スクリーンタイム」という言葉があって、パソコンやスマホにも使いすぎを警告する機能がついているくらいです。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは「2歳未満ではスクリーンタイムは推奨されない。2〜4歳でのスクリーンタイムは、1日1時間未満」とされています。大人だけ「好きなだけ見てもOK」なんてことはないでしょう。

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とにかく端末にかじりついている時間は短いほうが良さそうです。ちょこちょこ紙を取り出して読んでいけば気晴らしになるだけでなく、スクリーンタイムを減らすのにも役立ちます。

私はいつも、旅行や出張に行くときはA5サイズの薄い雑誌を折り畳んでポケットに入れておくことにしています。駅のホームや飛行機の待合所など、スキマ時間のたびに取り出して、読み終えたページは破ってゴミ箱に捨てる。

こうすると目的地に着くころにはポケットの中がカラになる。スマホでニュースやSNSの書き込みなんかを読み続けるより目が疲れにくく、バッテリー切れの心配もない。しかも「お気に入り」の雑誌をお供にすることで、有意義な時間を過ごせるのです。

奥野 宣之 著作家・ライター

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おくの のぶゆき / Nobuyuki Okuno

1981(昭和56)年、大阪府生まれ。同志社大学でジャーナリズムを専攻後、出版社、新聞社勤務を経て作家・ライターとして活動。読書や情報整理などを主なテーマとして、執筆、講演活動などを行っている。『情報は1 冊のノートにまとめなさい[ 完全版]』『読書は1 冊のノートにまとめなさい[ 完全版]』(以上、ダイヤモンド社)、『学問のすすめ』『論語と算盤(上)自己修養篇』『論語と算盤(下)人生活学篇』(以上、致知出版社「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」現代語訳)など著書多数。

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