「本がすらすら読める人」が朝からやっていること 「スマホ」だけのせいにしてはいけない
コンディションに陰りがあるときは、無理して負荷の高い本や文章を読んでも頭に入りません。このように心身の声を聞く習慣を持っておけば、「今日の仕事はとにかく安全運転で行こう」「夕食は軽めにしてとにかく早く寝よう」といった具合に軌道修正できるのです。
逆に、歩き出してしばらくしても心配事や体の不調などのネガティブなことが頭に浮かばない日もあります。こういう日は絶好調です。先延ばしにしていたやっかいな案件を片付ける、ジムやプールに行って積極的に体を動かす、といった具合に攻めの姿勢でいきます。そのうち読もうと買ったもののまだほとんど手にとっていないような「負荷の高い本」もこういう日にチャレンジすることにしています。
毎日「気持ちいい朝」を迎えられるなら、コンディションは維持できている。すると「読む習慣」も軌道に乗り、効果が蓄積されていくというわけです。
「本が読めるか」は精神状態のバロメーター
専門家によれば、自分の精神状態が正常か心配になったときは「本が読めるか」もひとつの判断の指標になるそうです。双極性障害を発症した歴史学者の與那覇潤氏は「自分が書いた本を読んでも一切の意味がとれなくなり、猛烈な恐怖感がこみ上げて震えが止まらなくなった」と語っている(毎日新聞・医療プレミア2018年8月13日公開)。文献を読むプロでも健康を損ねるとこうなるのですから、私たちはもっと「読めるコンディション」の維持に敏感であるべきでしょう。
もちろん「毎日が最高!」といった感じで生きていくのは不可能です。それでも、気分の落ち込んだ日が何日も続かないようにする。もし調子が悪かったら、次の日は回復できるように試みる。コンディションが本格的に崩れる前であれば、何かおいしいものを食べるとか日帰り温泉に行くとか、ちょっとしたことで挽回できるものです。
私が心がけているのは「宵越しのストレスは持たない」(三浦勇夫)ことです。毎朝、自分の心身と対話する時間を持つことで、やや負荷の高い文章でも立ち向かえるだけの集中力と思考力をキープしましょう。
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